『凪のお暇』号泣する高橋一生は愛おしい 一方で、自分の軸で幸せを選んだ凪に迫る“恐怖”も
人は相手を攻めるとき、つい自分が突かれたら痛いところを狙ってしまうことがある。相手を打ちのめしたつもりで、自分のコンプレックスが顔を出し、かえって傷つくことも。攻撃は、同時に弱点を晒すことにもなるから、気をつけたほうがいい。慎二が、人生を変えようとする凪を攻めたのもそうだ。本当は誰よりも自分が、空気を読みすぎる性格に疲れているのだから。
変わりたい女・凪と、変わってほしくない男・慎二は、すれ違い続ける。逃げるのをやめて、ちゃんと別れを告げに来た凪に対して、同僚の前でも手を引く勇気を持った慎二。「好きじゃなかった」と正直になる凪と、「もともと付き合ってた記憶ないけど」と強がる慎二。立ち上がって歩き出す凪と、テーブルに突っ伏して動けない慎二。
そして、“その場の空気を読んで“ではなく、“その人といる空気がおいしい“という理由で、選んだ隣人の安良城ゴン(中村倫也)のもとへと向かった凪。ゴンも「おいで」と受け入れ、ふたりはついに肌を合わせる仲に。
一方、駅に向いながら号泣する慎二。毎度、号泣する慎二を愛しく思うが、凪はその事実を知らない。人は、見ようとしたものしか見えないのだ。そして、凪が知らない真実がもう一つ。ゴンの仲間に声をかけられクラブに向かった慎二の目の前には、ゴン目当ての女性たちがあちらこちらに。そして、ゴンが「メンヘラ製造機」と呼ばれていることも明らかに。
自分の心地いい方へ。自分なりの幸せを切り拓く重要なキーワードはコレだ。だが、それと同じくらいに大切なのが、何事にも執着しすぎないこと。誰かに言われたことではなく、自分で選んだものにこそ、人は手放すのを恐れる。初めて自分の軸で幸せ=ゴンといることを選んだ凪が、次回その怖さに直面しそうだ。
(文=佐藤結衣)
■放送情報
金曜ドラマ『凪のお暇』
TBS系にて、7月19日(金)スタート 毎週金曜22:00~22:54放送
出演:黒木華、高橋一生、中村倫也、市川実日子、吉田羊、片平なぎさ、三田佳子、瀧内公美、大塚千弘、藤本泉、水谷果穂、唐田えりか、白鳥玉季、中田クルミ、谷恭輔、田本清嵐、ファーストサマーウイカ
原作:コナリミサト『凪のお暇』(秋田書店『Eleganceイブ』連載)
脚本:大島里美
演出:坪井敏雄、山本剛義、土井裕泰
プロデューサー:中井芳彦
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/NAGI_NO_OITOMA/