“突然止まる”おもちゃの動きにあわせた演出も! 『トイ・ストーリー4』4DX体験レポート

 さらに、単に揺れるだけではなく、人間に見つかりそうになった時にはオモチャたちが動きを止めるのと同時に座席の動きもピタリと止まるのも世界観を強化していて見事だった。

 直前まであわあわ動いていたものが突然止まってしまう。それまでずっと『トイ・ストーリー』シリーズの基本ルールだったはずのこの設定も動きを伴って表現されると特別な感慨がある。オモチャたちに課された宿命とはいえ、彼らは動いているところを子供たちに見られることはできない。あくまで人間の世界では彼らはオモチャ。その『トイ・ストーリー』シリーズにおいて重要なポイントを再認識させられる演出だった。

 だからこそ、それでも子供たちに夢を届け愛され見守ろうとするオモチャたちの健気さに胸を打たれるし、1作目から24年間そのオモチャの宿命に疑問を持たずシリーズを引っ張ってきたウッディに心境の変化が現れる場面はハッとさせられた。

 1995年から続く伝統あるシリーズが4DXという機能をうまく活用し、本作が届けようとするメッセージと巧みにリンクさせていた。そこまでアクションがド派手なわけではない本作において4DXをどう使うべきか、4DXで見てよかったと思わせるにはどうすればいいのか、ひとつの見本を示したバージョンだった。

 吹き替え声優たちも安定のハマリぶりを見せてくれている。新キャラでも元々はアメリカの人気お笑いコンビ、キー&ピールが演じているダッキー&バニーというぬいぐるみコンビをお笑い芸人チョコレートプラネットが違和感なくアテレコし爆笑をかっさらっていた。

 同じく4DX作品では、現在ディズニー作品の『アラジン』が日本での最高興行成績を樹立するなど大ヒットを記録している。『トイ・ストーリー4』とあわせて、ディズニー/ピクサー作品と4DXは好相性と言えるかもしれない。

 「4DXはアトラクション並みに動きがダイナミックなのでは?」と思っている人でも今回はファミリー仕様で控えめになっているから大丈夫。せっかく2019年に本シリーズを見られるのだから、かつてない『トイ・ストーリー』の側面を見る意味でも4DXは大いにオススメしたい。

■シライシ
会社員との兼業ライター。1991年生まれ。CinemarcheやシネマズPLUSで執筆中。評判良ければ何でも見る派です。

■『トイ・ストーリー4』 4DX劇場一覧
※上映劇場は変更となる場合あり
※劇場により、対応している効果が異なる
【ユナイテッド・シネマ】http://www.unitedcinemas.jp/4dx/index.html
【シネマサンシャイン】http://www.cinemasunshine.co.jp/4dx/
【イオンシネマ】http://www.aeoncinema.com/4dx/
【コロナシネマワールド】http://www.4dx.korona.co.jp
【109シネマズ】http://109cinemas.net/4dx/
【USシネマ】http://cinemax.co.jp/4dx/
【フォーラム那須塩原】https://www.forum-movie.net/nasushiobara/
【アースシネマズ姫路】http://earthcinemas.jp/theaters/4dx

■公開情報
『トイ・ストーリー4』
全国公開中
監督:ジョシュ・クーリー
製作:ジョナス・リヴェラ、マーク・ニールセン
日本版声優:唐沢寿明、所ジョージ、戸田恵子ほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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