清原果耶が『なつぞら』に新風を吹き込む 空白の13年間を表した迫真の演技
広瀬すずが清々しいヒロイン像を体現する『なつぞら』(NHK総合)で、彼女の生き別れた妹役として登場し、さらなる清らかな風を呼び込むこととなった清原果耶。笑顔のまぶしい女優である。
清原が朝ドラに出演するのは、これで2度目だ。『あさが来た』(NHK総合、2015年10月〜)が、彼女の女優としてのデビュー作でもある。今作『なつぞら』で彼女の存在を知ったという方も多いのであろうが、17歳とあってキャリアはまだ短いながらも、清原はじつに多くの作品で多彩さを発揮し、その存在感の大きさを示してきた。
2016年公開の『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』や『3月のライオン』(2017)、『愛唄 -約束のナクヒト-』(2019)では透明感溢れるヒロインに扮し、後者では、表題曲を優しく歌う姿も劇中で見せている。そして、『ユリゴコロ』(2017)や連続ドラマW『イノセント・デイズ』(2018)では、心に闇を抱える少女を自然体で好演。この2作においては、彼女の透明感があってこそ引き立つ不穏さというものがあったのだ。
今作『なつぞら』以前に広瀬と対面した『ちはやふる -結び-』(2018)では、シリーズ作品の完結編にいきなりの登場ながら、スポーティで好戦的な少女を演じ、これまた清らかな力強さを映画に与えていた。さらに、俳優・山田孝之がプロデュースをはじめ裏方に徹した『デイアンドナイト』(2019)でも、ヒロインを担当。野田洋次郎が作詞・作曲・プロデュースした主題歌「気まぐれ雲」を、清原は劇中で演じた大野奈々名義で瑞々しく歌い上げ、「人間の善と悪」をテーマに描いた本作に、彼女はささやかな光をともした。
ドラマでは、昨年放送された『透明なゆりかご』(NHK総合)で初主演し、続くNetflix配信ドラマ『宇宙を駆けるよだか』でもヒロインを担当。このあたりで知名度も上昇した。こうやって清原のキャリアを振り返ってみると、いかに彼女がいま注目され、必要とされている存在なのか、一目瞭然なのである。