『あなたの番です』を深読み考察 真犯人はいったい誰!? 伏線は「反撃編」で回収されるのか?
いよいよ「反撃編」がスタートする『あなたの番です』(日本テレビ系)。4月の放送開始時からこれまでの視聴率を見るとヒットしているとは言い難いが、録画視聴やTVer(ティーバー)などのイッキ見で、どんどんハマる人が増えてきたようだ。2クール全20話への挑戦は、かなり厳しい戦いになるように見えたが、「反撃編」の始まりと共に作品としても反撃しそうな勢いがある。こういうことがあるから連続ドラマは面白い。
第10話と特別編までは、東京イーストサイドのマンション「キウンクエ蔵前」に引っ越してきた新婚夫婦、手塚菜奈(原田知世)と手塚翔太(田中圭)が、住民たちが余興で「自分が殺したい人」を紙に書いて交換したことから起こった連続殺人に巻き込まれていった。マンションにはサラリーマン家庭や独身の男女、外国人の日本滞在者など、さまざまな立場の人が暮らしている。ただ、全員が「ちょっとずつ変」(菜奈の言葉)で、連続殺人も含め、現実ではありえないようなことが起こる。
しかし、イッキ見していると、袴田吉彦演じる久住が唐突に「袴田吉彦って知っていますか?」と言い出しても、それを受けた菜奈が「知ってますよ」とブレンディな笑顔で応じ、袴田の唯一のCDリリース曲「本トの気持ち」をブレンディな声で歌っても、翔太が妻相手とはいえ「めちゃくちゃ気持ちいいセックスしよう」と赤名リカ(『東京ラブストーリー』)のようなあざといことを言っても、はたまたギャグとしか思えない土下座よりきついポーズで本気を表現しても、劇団そとばこまち出身の生瀬勝久が演じる田宮とその妻(劇団第三舞台の看板女優であった長野里美)が演劇活動をめぐってケンカしても、犯行がバレて錯乱した早苗(木村多江)がハンドミキサーを目撃者たちに突きつけ、「ミキサーが止まったときには、今見ていることの記憶をなくしてますよ!」とかなり無理めの催眠術をかけようとしても、そのツッコミ待ちの場面の数々が妙なグルーヴ感を生み出して、むしろクセになってしまう。そんなB級感のある作りゆえ、毎週1回の放送より連続して見る視聴スタイルの方が向いていると思われる。そう、これは豪華キャストによる“昼ドラ”なのだ!
さて、「反撃編」を前に、「一番悪いやつは誰か?」と真犯人探しをしてみたいと思う。最初に死んだ管理人から第10話で死体となって発見された菜奈まで10人が亡くなったが、早苗が医師の山際を、藤井(片桐仁)がブータン料理屋の田中を、そして久住が細川(野間口徹)を殺したことはほぼ確定のため、殺人犯はひとりではない。ここでは菜奈を殺し、「反撃編」で翔太の復讐する相手になるであろう犯人に限定して考えてみる。ずばり、怪しいのはこの人たち!