TVも映画も同じ役者が引っ張りだこ? 向井理、清原翔、小手伸也らが獅子奮迅の活躍
『なつぞら』(NHK総合)でヒロインのお兄ちゃんを好演する一方で、『インハンド』(TBS系)では謎めいた陸上選手に扮し、映画『うちの執事が言うことには』でミステリアスな執事を演じた清原翔。『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)での好男子ぶりとは打って変わり、封切られたばかりの『ザ・ファブル』にて、冷酷非道な極道者を演じ上げている向井理。TVドラマ、映画、舞台……と、同時期にあちこちで顔を見せる俳優が数多くいる。
同じ期間に、別作品での一人の俳優の異なる表情を見ることができるのは、観客である私たちの一つの楽しみだろう。2013年に『最高の離婚』(フジテレビ系)、『まほろ駅前番外地』(テレビ東京系)、『極北ラプソディ』(NHK総合)と同クールに放送された3本のドラマで主演を務めた瑛太や、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2017)の封切りから2週後に『アウトレイジ 最終章』(2017)が公開され、西田敏行のあまりの演技の振れ幅の大きさに人間不信になりかけたことも、いまだに鮮明に記憶に残っている。
2019年4月クールドラマを中心にみてみると、冒頭で名を挙げた清原とともに、『なつぞら』に出演している山田裕貴と吉沢亮がまず思い浮かぶ。二人とも同作でヒロインの幼馴染みを演じているが、山田は『特捜9 season2』(テレビ朝日系)で若手刑事に扮し、吉沢は映画『キングダム』で主人公の親友と秦国王とを一人二役で演じ、華麗なアクションも披露。若手筆頭株の二人の実力を、しっかりと堪能できる機会となっているのだ。
『パーフェクトワールド』(カンテレ・フジテレビ系)に主演している松坂桃李は、放送中に主演映画『居眠り磐音』が公開され、さらに主演を務めた『新聞記者』がもう間もなく封切りとなる。本作でヒロインに扮する山本美月は、大河ドラマ『いだてん』(NHK総合)にも出演中、さらには『ザ・ファブル』でもヒロインの一人を務め、黒社会に翻弄される健気な女性を演じている。そして、前期の朝ドラ『まんぷく』(NHK総合)での脇での好演が評判であった瀬戸康史は、続く『パーフェクトワールド』でもそのはたらきを見せながら、『デジタル・タトゥー』(NHK総合)で高橋克実とダブル主演。作品に合わせ、実に上手く立ち回ることができる俳優である。