ゴジラへの暴走気味の想いが短所であり長所にも 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の美学
強烈な長所もあるが、致命的な短所もある。好きな人は大好きだが、嫌いな人はとことん嫌い。本作は同じモンスターバースの過去作『GODZILLA ゴジラ』(2014年)や『キングコング:髑髏島の巨神』(2017年)以上に賛否が分かれる1本だろう。散々書いてきたように話は取っ散らかっているし、「?」な部分も多い。しかし、過去のゴジラが技術的な都合で描こうとして描けなかったもの、あるいは皆が一度は見たかったものを真正面から映像化したという点だけでも、本作は後々まで語り継がれる1本になったといえる。目についたいびつな点を愛嬌と捉えるか、次回への課題と捉えるか。その答えは人それぞれ、個人のゴジラ観の数だけあるだろう。ワケ分らんが盛り上がり、冷静に考えるとおかしな点も見えてくる。祭りの後とは、いつだってそういうものだ。本作は、色々な意味で正真正銘のお祭り映画だといえるだろう。
■加藤よしき
昼間は会社員、夜は映画ライター。「リアルサウンド」「映画秘宝」本誌やムックに寄稿しています。最近、会社に居場所がありません。Twitter
■公開情報
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
全国東宝系にて公開中
出演:カイル・チャンドラー、ヴェラ・ファーミガ、ミリー・ボビー・ブラウン、サリー・ホーキンス、渡辺謙、チャン・ツィイーほか
監督:マイケル・ドハティ
脚本:マイケル・ドハティ、ザック・シールズ
配給:東宝
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公式サイト:https://godzilla-movie.jp/