『きのう何食べた?』脇役にも個性的なキャストが揃う 主人公たちの“背景”として埋没しない存在感

 ドラマ24『きのう何食べた?』(テレビ東京系)の第一の成功要因は、SNSなどで「神がかっている」とも讃えられているキャスティングだ。主人公のシロさんとケンジを演じる西島秀俊、内野聖陽のハマり具合はもちろんのこと、周囲を固める脇役に至るまで隙がない。

 たとえば、視聴者に人気のカップル、小日向さん役の山本耕史と航(ジルベール)役の磯村勇斗は、西島と内野に面と向かってもまったく見劣りしない実力を持つ。4人揃えば大河ドラマぐらい十分成立しそうなのに、7話ではダブルデートで食事とおしゃべりに興じているだけというのがなんともぜいたくだった。

 3話、4話、5話などに登場したシロさんの母親役の梶芽衣子、父親役の志賀廣太郎もキャリア、実力ともに十分。同性愛者である史朗への誤解、無理解から、パートナーへの深い愛情などもじっくり表現してみせた。志賀は体調不良による降板のため田山涼成に交代するが、シロさんの両親は終盤にかけてもストーリーに重要な役割を果たしていくと思う。

 シロさんの良き理解者である富永佳代子役の田中美佐子もイメージ通りだし、その夫役の矢柴俊博に至っては原作と顔が完全に一致していて視聴者を驚かせた。原作者のよしながふみはキャスティングに強いこだわりがあるそうだが、今回のドラマ化については大喜びしているというのも非常によくわかる(ねとらぼエンタ 2月22日)。

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