窪田正孝の繊細な演技が光る! 『ラジエーションハウス』第2話で見せた本田翼への思いやり
小野寺を演じる遠藤は、家庭での顔、医師と対峙する時の顔、後輩技師を育て守っていく顔と様々な表情を見せる。名バイプレイヤーと呼ばれる芝居の技術力は確かなもので、愛情のこもった視線と、真剣にレントゲンを撮る強い眼差しは観るものを魅了した。
小野寺は、唯織のように病院内の調和を守れない技師に対してもしっかりサポートし、責任は自分が負うと男らしく豪語できる気前の良さがある。そんな気質を堂々と演じる遠藤からは、ラジエーションハウスの技師を演じる若手俳優たちを一挙にまとめて率いているような強さを感じた。第2話では優しい笑顔も垣間見え「強面なところと愛らしい笑顔の二面性」という遠藤の魅力がふんだんに発揮された回となった。
さらに、今回は親子愛や結婚にフォーカスした内容でありながら、一方で放射線技師と医師の連携の重要性も説かれた。過去に蓋をしてしまった杏が、小野寺の技術力の高いレントゲン写真や唯織の検査に対する姿勢を見て、改めて技師の仕事へのリスペクトを感じる。本来であれば1話で描かれていた幼少期の杏の思想が、第2話で大人になった杏によって語られ、杏にとっては原点回帰となった。そんな杏の過去を大森から聞いた唯織は、自分を思い出させようとして辛い過去を思い出させようとしてしまったことを後悔する。不器用な唯織だが、本当は誰よりも繊細で気持ちに敏感であることがわかるシーンだ。杏を思いやり、自分の行動を省みるのであった。
■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter
■放送情報
『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』
フジテレビ系にて毎週(月)21:00~21:54放送
出演:窪田正孝、本田翼、広瀬アリス、浜野謙太、丸山智己、矢野聖人、山口紗弥加、遠藤憲一、鈴木伸之、浅野和之、和久井映見 ほか
原作:『ラジエーションハウス』(原作:横幕智裕、漫画:モリタイシ、GJ/集英社)
脚本:大北はるか
プロデュース:中野利幸
演出:鈴木雅之
制作著作:フジテレビジョン
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse/