『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』インタビュー

窪田正孝を“主演”にした出会いと経験の積み重ね 「どんどん形を磨いてもらった」

「知識よりも経験の方が好き」


ーーご自身では演じられていて、唯織と重なるところはありますか。

窪田:僕が演じる唯織は、すごくまっすぐな人で、技師としての才能もあり、努力の天才なんです。ぴったりと言っていただけるのは本当に光栄なのですが、別に唯織みたいに頭も良くないし、天才でもないので、まして職業も全然違うというのはあるんですけど……。僕は、1人で自立していない役というか、誰かと一緒に支えあって生きていく役をやらせてもらうことが多いんですけど、今回はちょっと違うのかなと思っています。作品のカラーも変わりますけど、唯織は子どもの頃からずっと憧れにしている杏ちゃん(本田翼)とのシーンはすごくピュアになるし、仕事をする時の切り替えははっきりしているんです。やっぱり彼の中に芯が1本通っていて、はじめからやることを決めているので、周りからどんな風に見られても変わらないんだなって感じました。その芯の強さは演じていてすごく背中を押される部分もあるし、自分も唯織の背中を押したくなります。

ーー窪田さんも努力をされている方だと思いますが、ご自身としてはそういう意識はないですか?

窪田:うーん、自分から本当に努力したなと思うのはアクションですかね。やっぱり練習していかないと怪我をするし。でも芝居に関しては、あんまりどこかで何かをと教えてもらう感覚ではなかったです。生活環境がどんどん変わっていくなか、その時の役で生きてきたので。色んな現場で色んな人を見たりして、どんどん形を磨いてもらったなとは思います。

ーーなるほど。でもやっぱり、10年以上もキャリアを積み重ねていたら、それは努力じゃないですか?

窪田:努力しているのかな? このあいだ、『ネプリーグ』(フジテレビ系)の収録に参加したのですが、全然活躍できませんでした(笑)。知識はもちろん大切なんだけど、僕は知識よりも経験の方が好きなんです。頭の脳みその作りって人それぞれ違って、そのキャパを100ギガバイト持ってる人もいれば1キロバイトしかない人もいるし、僕はどちらかというとそっち(1キロバイト)なんです。ただ、色んな物事に興味を持って、人と出会っていくなかでの経験って知識ではないから、経験をいつも大切にしたいなとずっと思っています。なんかいいこと言ったふうになっちゃいましたけど(笑)。

ーー今回の現場でも、共演者から吸収したものはありますか?

窪田:いっぱいあります。今回、ラジエーションハウスのラボの中に居る時は基本的に全員が集合していることが多いんです。芝居とは関係ないのかもしれないけど、現場を明るくするかのようにみんなを巻き込んでいるのはやっぱりエンケン(遠藤憲一)さんなんです。エンケンさんってすごく柔らかい人で、僕もここ最近のエンケンさんにはそのイメージがついていたんですけど、イメージ的に目がギラついてる印象が強かったのですが、きっと色んな経験をされてきたからこそ、誰にでも分け隔てなく話してくれる感覚がある。そこに乗っかって(本田)翼も(広瀬)アリスも、そして自分も甘えられるんですかね。その土台をリーダーで作ってくれているなというのはつくづく思います。みんなはやる時はやるんですけど、基本的にはずっとふざけてます。本当いいチームだなと思います。

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