『グッドワイフ』怒涛の展開で最終話へ 常盤貴子&水原希子が見せた涙と友情
杏子はこれまで家族を、そして自分を守るために、疑わしい他者は切り捨てて生きてきた。上辺だけの近所付き合いも、信用できない夫との関係も離婚届に判を押すことで幕を閉じる。第1話の法廷で16年のブランクを見せていた杏子は、見違えるように強くなってきたのだ。しかし、円香との別れだけは特別だった。事務所の屋上で決別を誓った2人は、お互いの姿が見えなくなると声を上げて泣き出す。特に印象的だったのが、話し合いの中で杏子が冷静を装いながらも、「ここに来て何が嬉しかったって、あなたっていう……あなたっていう友達ができたことだと思ってました」と伝えるのを躊躇うシーンだ。鋭く険しい顔つきだった杏子は涙で瞳を潤わせ、少しだけ表情が優しくなる。杏子にとって円香がどれだけ心許せる存在であったかを表していると同時に、これまでの『グッドワイフ』の中でも常盤の演技力が特に光る場面である。
杏子に離婚届けを提示された壮一郎は検事正に昇任。過去の捜査内容の見直しとして、多田の裁判官の癒着を調べあげ、彼を贈賄容疑で逮捕する。壮一郎の行動の根源は、多田への嫉妬。「堕ちた正義」とは佐々木、その上で責任を逃れる政治の上手い御手洗直人(中村育二)、そして嫉妬に狂った壮一郎を指したタイトルだ。最終回「最後の審判」では、法律事務所と検察の戦いに。つまり、壮一郎と杏子の全面対決ということになる。検察の味方につく朝飛、それを知る円香がどのような立場行動を取るかも鍵を握るところ。そして、杏子は壮一郎と多田、どちらの未来を選択するのか。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter
■放送情報
日曜劇場『グッドワイフ』
TBS系にて毎週日曜日21:00~21:54
出演:常盤貴子、小泉孝太郎、水原希子、北村匠海、滝藤賢一、賀来千香子、吉田鋼太郎、唐沢寿明
脚本:篠崎絵里子
チーフプロデュース:瀬戸口克陽
プロデュース:東仲恵吾
演出:塚原あゆ子ほか
原作:based on “The Good Wife” produced in the United States by CBS Television Studios in association with Scott Free Productions and King Size Productions, and distributed by CBS Television Distribution”
制作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/the_good_wife2019/