『3年A組』萩原利久、個性派キャラを脇で支える演技の柔軟さ 2019年の要注目若手俳優へ

 今作『3年A組』で萩原が演じる逢沢は、重要人物でありながらも、冒頭で述べたように、とりたてて目立つキャラクターというわけではない。“冷静沈着さ”と“素朴さ”がこの人物の個性であり、ドラマの盛り上げ役を担当している富田、佐久本宝、若林らと比べると、それは“地味”だとも映るだろう。萩原はこれを等身大で演じ、クラスの平凡な一員に柔軟に溶け込んでいるのだ。それでいて、内通者であることが発覚した場面など、ふいに彼がフォーカスされるときに見せる萩原のパフォーマンスは、いわば瞬発力が要されるものに思える。高い柔軟性と瞬発力の発揮。これは物語に沿った演出に依るところが大きいのだろうが、それに確実に応えられるのが、萩原利久という俳優なのではないか。

『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』第9話より(c)日本テレビ

 この春に彼は、『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』で初の連続ドラ主演を果たす。これは野村周平と西野七瀬がダブル主演をした作品の新シリーズで、乃木坂46の山下美月とのダブル主演だ。話題作への主演抜擢とあって、これは現在の彼への評価のバロメーターとも見て取れるだろう。この2019年、萩原利久がもっとも注目される若手俳優の一人となることは間違いない。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。Twitter

■放送情報
『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:菅田将暉、永野芽郁、萩原利久、秋田汐梨、若林薫、佐久本宝、富田望生、片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、川栄李奈、上白石萌歌、新條由芽、鈴木仁、古川毅(SUPER★DRAGON)、望月歩、搗宮姫奈、堀田真由、日比美思、森山瑛、三船海斗、今井悠貴、若林時英、今田美桜、飛田光里、大原優乃、神尾楓珠、横田真悠、森七菜、西本銀二郎、福原遥、高尾悠希、箭内夢菜
脚本:武藤将吾
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:福井雄太、松本明子(AX-ON)
演出:小室直子、鈴木勇馬、水野格
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/3A10/

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