ベン・アフレックに続く新バットマンは誰が? バットマン俳優の変遷と魅力を振り返る

 というわけで『ザ・バットマン(仮)』は若手俳優がバットマンを演じることになりそうです。いくつかの候補の名があがっていますが、当初は新人俳優ジャック・オコンネルの名があがっていましたが、ここにきて『ハリー・ポッター』シリーズ、『トワイライト』のロバート・パティンソンの名もあがっています。バットマンはもちろんヒーローなのですが、子どものころに両親を犯罪者に殺された、という暗い過去をもっています。だからどこか寂しげなんですね。従って単なるタフガイではなく、こうした憂いをどう出せるかがポイントでしょうか?

 そしてもう一つバットマン役者に選ばれるための重要なポイントはあのマスク姿を付けたときに様になるかどうか、従って目力が重要だそうです。ティム・バートンが監督した『バットマン』『バットマン・リターンズ』でこの役を演じたマイケル・キートン。バートンはバットマンをある種のサイコパスと解釈し、その目にちょっと狂気じみた怒りをもとめていた。そしてこうした感情と笑いは近いところにあるから、コメディアンとしても才能のあるキートンを起用したと言われています。キートンの後にバットマン役を受け継いだヴァル・キルマー、ジョージ・クルーニー。ティム・バートン版のバットマンが暗すぎてヒーロー映画としてのケレン味に欠けていると判断した映画会社が路線を修正したこともあり、この2人が演じるバットマンはヒーロー感がアップしていました。

『ダークナイト』(c) Warner Bros. Entertainment Inc.

 そして『バットマン・ビギンズ』から始まるクリストファー・ノーラン監督によるダークナイト3部作が始まります。演じていたのはクリスチャン・ベール。2008年に2作目の『ダークナイト』が公開されましたが、この年はマーベルの『アイアンマン』もヒットした時です。どちらも社長が特殊スーツを着て悪と戦うヒーローです。しかしその時感じたのは「アイアンマン」は、アイアンマンよりもその正体であるトニー・スターク(演じるのはロバート・ダウニィJr.)の方にスポットが当たっています。それに対しクリスチャン・ベールはバットマンこそが本当の姿であり、その正体であるブルース・ウェインの方が世を忍ぶ仮の姿である的に演じています。

 ではクリスチャン・ベールは”ヒーロー物”としてバットマンを演じていたのか? そうではないのです。ブルースが偽りの人生を送っていると演じることで、この男が人としての幸せを捨てた悲劇の人物であることを見事に表現していたのです。ベン・アフレック版は今までのバットマンの中では一番年上のイメージがありますが、これは『バットマンVSスーパーマン:ジャスティスの誕生』において、スーパーマンよりバットマンの方が先に活躍してたヒーロー、つまりスーパーマンより年上の感じを出したいがために、スーパーマン役のヘンリー・カヴィルより年上の役者が演じる必要があったのです。

『ジャスティス・リーグ』(c)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

 こうしてふりかえってみるとどのバットマンも素晴らしく、映画監督らがバットマンの物語をどう解釈しているかによって選ばれる役者のテイストが異なることがわかります。結構好きだったベン・アフレック版バットマンの活躍をもう少し観たかったのですが、『ザ・バットマン(仮)』でどんなバットマンに会えるのか期待しましょう。なおマット・リーヴスは『ザ・バットマン(仮)』をスーパーヒーロー物というよりも犯罪探偵物的に描くつもりらしく、登場するヴィラン(悪役)もバットマンの中で人気の高い犯罪紳士ペンギンになると噂されています。ヴィランを誰が演じるのかというのもバットマン映画にとっては重要で、今回はペンギン役にジャック・ブラックの名があがっているそうです。このペンギン、ティム・バートンの『バットマン・リターンズ』ではダニー・デビートがフリークな怪人として熱演していました。これもまた楽しみです。

■杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画に関するコラム等を「スクリーン」誌、「DVD&ブルーレイでーた」誌、劇場パンフレット等で担当。サンディエゴ・コミコンにも毎夏参加。現地から日本のニュース・サイトへのレポートも手掛ける。東京コミコンにてスタン・リーが登壇したスパイダーマンのステージのMCもつとめた。エマ・ストーンに「あなた日本のスパイダーマンね」と言われたことが自慢。現在発売中の「アメコミ・フロント・ライン」の執筆にも参加。Twitter

■リリース情報
『ジャスティス・リーグ』
ブルーレイ&DVD発売中
ブルーレイ&DVD(2枚組):3,990円(税抜)
【初回仕様】ブルーレイ&DVD セット(2枚組/ブックレット付):4,990円(税抜)
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【初回仕様】<4K ULTRA HD&3D&2D ブルーレイセット>(3枚組/ブックレット付):7,990円(税抜)
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