フネさんが「ナメられないように」と精神的マウント? 初期『サザエさん』アニメとしての魅力

フネさんが「ナメられないように」と精神的マウント? 初期『サザエさん』アニメとしての魅力

(c)長谷川町子美術館

 今の『サザエさん』は動きが少ないアニメです。基本的に家の周辺で何かしらの小さな事件が起きて、その事件は会話劇で完結する。これが今の基本形です。一方の初期は、全力投球のドタバタコメディ。キャラクターは走り回り、物は壊れ、リアクション過多、いわゆる“顔芸”も非常に豊かです。また、国民的アニメでなかったがゆえに、ドタバタ・時事ネタ(万博に行く。カツオたちがゲバ棒&ヘルメットで武装するなど)・しんみり系と、脚本の幅も今より広く、演出も凝っている。今なお続く「サクっと観ることができるから、ついつい次の話まで観てしまう」系の、ショートコメディとして普通に面白い。

 そもそも論になりますが、『サザエさん』が今なお続いているということ自体が、数あるアニメの中で抜きん出たものがあった証に他なりません。今との違いを楽しむもよし、ごくごく普通に楽しむもよし。一見の価値があるアニメだと言えるでしょう。

■加藤よしき
ライター。1986年生まれ。暴力的な映画が主な守備範囲です。
『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』に記事を数本書いています。

■配信情報
『サザエさん』
FOD、Amazon Prime Videoにて配信中
配信回:1969年10月5日第1回放送〜1970年10月4日までの53回放送分より、50回放送分
(c)長谷川町子美術館

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