『グッドワイフ』は“主婦”常盤貴子の強さに注目 数多あるリーガルドラマと差別化図れるか

 第1話での杏子の力強い姿は、もう一つあった。それが夫である壮一郎との面会のシーン。壮一郎は贈収賄の容疑と、さらに女性スキャンダルまで取り沙汰されていた。杏子と壮一郎の間には2人の可愛い子どもたちがいる。「その人と会う前に子どものこと考えてくれなかったの? 家庭を壊すのは心が犯した罪だよ」。嘘のゴシップニュースで母親を自殺に追い込み、家庭を崩壊させた日下部に対しての姿勢と、どこか通ずるものを感じさせる。そこにあるのは、主婦として、母親としての目線だ。

 『グッドワイフ』は、基本的に1話完結のリーガルドラマであるが、様々な謎が並行して進んで行く多重構造となっている。3年間、壮一郎のもとで検察事務官として働き、クビになったという円香みちる(水原希子)、10数年ぶりに杏子と会い事務所に誘った多田の好意、壮一郎を取り調べる脇坂博道(吉田鋼太郎)、佐々木達也(滝藤賢一)の検察チーム……と多くの伏線が張り巡らされており、全く空気感の違う法律事務所チームと検察チームが交錯していくのかも気になるところだ。

 また、今期は先行して10日にスタートしている『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)、19日より放送開始の『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ系)と3つのリーガルドラマがオンエアとなる。前期にも、『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)、『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)が放送されており、まさにリーガルドラマラッシュといったところ。『グッドワイフ』は、主婦・蓮見杏子の魅力を武器に、ほかのリーガルドラマと差別化を図ることはできるか。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
日曜劇場『グッドワイフ』
TBS系にて、2019年1月13日(日)スタート 毎週日曜21:00〜21:54
出演:常盤貴子、小泉孝太郎、水原希子、北村匠海、滝藤賢一、賀来千香子、吉田鋼太郎、唐沢寿明
脚本:篠崎絵里子
チーフプロデュース:瀬戸口克陽
プロデュース:東仲恵吾
演出:塚原あゆ子ほか
原作:based on “The Good Wife” produced in the United States by CBS Television Studios in association with Scott Free Productions and King Size Productions, and distributed by CBS Television Distribution”
制作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/the_good_wife2019/

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