『相棒』元旦SP、及川光博の登場で意外な方向に? 長期シリーズゆえの“ファンサービス”も期待

『相棒』元旦SP、及川光博の登場で意外な方向に? 長期シリーズゆえの“ファンサービス”も期待

 今や、日本のドラマ界を代表するロングセラー作品と言って良いだろう。『相棒』(テレビ朝日系)は、初回の放送からもう少しで20年が経とうとする中で、現在でも多くの視聴者を惹きつける名シリーズである。“テレビ離れ”なる言葉もありながら、依然として高視聴率を叩き出しているほか、劇場版の製作も続いている。こうした成功の裏にある『相棒』ワールドの魅力は一体どこにあるのだろうか。今回、平成最後の元日スペシャル放送を前に、これまでの総括も含めた“相棒研究”をしてみよう。

愛され続ける右京さん

 紅茶をこよなく愛し、チェスの腕前はかなりのもの。言動の一つ一つが洗練され、極めて紳士的である。東京大学出身で、推理力はシャーロック・ホームズや古畑任三郎さながら。文化から自然科学に至る様々な事柄に造詣が深く、まさしく博覧強記の人である。もちろん刑事ということもあって、犯人相手にアクションをこなしたり、全速力で走り抜けたりすることもある。ユーモラスな雰囲気が印象に残る話し方をし、時に相棒を毒づいたりすることも。

 このように杉下右京(水谷豊)を特徴づける要素を箇条書きにしていくとキリがないわけだが、それだけ彼という人間は知れば知るほど面白いのである。『相棒』の魅力の一つは、間違いなく右京のこうした人物造形にある。単に毎話で活躍するだけではなく、いろいろな側面を視聴者に見せてくれる。とりわけ、上に挙げた右京さんの特徴の中でも「ユーモラス」なところは大きい。クールに事件を解決する人物とユーモラスな性格は、どこか親和性がある。もちろん、古今東西の全ての名刑事・名探偵に当てはまるわけではない。ただ、視聴者から愛されるキャラクターの型の一つとしては、右京のような人物は王道とも言える。ただカリスマ的なヒーローなのではなく、それにプラスしていろいろな一面を併せ持っているのだ。

一貫している正義感・道徳観

 正義のため、大義のために法を犯す人物が描かれることがある。『相棒』に限らず、しばしば刑事ドラマの犯人の中には、必要悪としてその犯罪を正当化する人物がいる。そうした犯人が現れると、作品によっては「本当に自分の正義は正しいのだろうか」と葛藤する刑事たちもいる。そうした葛藤を含ませることで、「本当の正義とは」といったテーマを提示する作品も当然描かれる価値はある。

 『相棒』でも正義が題材になることがある。右京はこれまでに何度も、自分の正義を主張する犯人たちに遭遇してきた。だが、彼は大概そうした犯人たちには厳しい言葉をぶつけてきた。普段は悠然としている右京が、声色を変えてエゴや自己満足で法を犯す人間を叱責する。誰かの犠牲を伴ってでも貫かれる“正義”を基本的に認めない。

 右京という人間を信頼することができるのは、こうした一面にあるのかもしれない。右京には正義に対する確固たる考え方がある。シーズン16の第17話で叫んだ言葉が右京の立場を明確に示している。

「我々警察官は、法の正義を守るためにいるんです。組織を守るためではありませんよ!」

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