浜辺美波の“聖子ちゃんカット”は永久保存版 『今日から俺は!!』メリハリきいた福田演出が冴え渡る

 軟葉高校で番を張る三橋(賀来賢人)を倒して一旗揚げようと躍起になる新入生ヤンキーたちが多数現れる中、三橋は新入生からアイドルのごとくチヤホヤされて絵に描いたように図に乗る。しかし、理子(清野菜名)からの忠告通りに喧嘩をしないようにしていた三橋の前で、新入生にボコボコにされている佐川(柾木玲弥)を理子が助けたことで人気を奪われ、むくれてしまう三橋。そんな中、ヘルメットを被って金属バットを振り回す新入生が“学校で一番強い”理子を狙って襲いかかってくる。

 先週の“廃ビル監禁エピソード”のワンシチュエーション性ほどではないにしろ、今週も1人の新入生の暴走を完封するという極めてシンプルなプロットが描き出された『今日から俺は!!』(日本テレビ系)第8話。おそらくこれが普通のドラマで普通のキャスト陣が普通の演出の上で進めていたのなら、30分枠でも裕に収まるほどのストーリーだったことだろう。けれど福田演出は一筋縄ではいかない。絶妙な間の取り方によって、一切ダレることのない1時間に仕上げているのだ。

 冒頭の教室のシーンでの椋木(ムロツヨシ)の「サクラサク!」からの奇妙すぎる空白であったり、三橋の家に押しかけてきた哲夫(佐藤二朗)と一郎(吉田鋼太郎)&愛美(瀬奈じゅん)とのかなり長尺を割いたアドリブ炸裂のシーンなど、いかにもな“福田節”が際立つシーンの数々(しかも後者では、福田作品に欠かせない佐藤二朗が、完全に共演者に押し負けしてしまうという珍しい光景を目の当たりにできた)。

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