小西真奈美、“全身緑色”のキャラを成立させた演技力 『半分、青い。』は脇役の個性が魅力に

 連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK総合)も、9月24日から放送されている第26週でとうとう最終週を迎える。主人公・鈴愛(永野芽郁)や、彼女を支える幼なじみの律(佐藤健)を中心に物語は進んでいるが、彼らに負けず劣らずな個性を発揮する脇役たちにも注目したい。

 終盤のキーパーソンとも言える加藤恵子を演じる小西真奈美は、その個性的な見た目に特徴がある。「全身緑色」「アニメ声」という特徴は、一見するとキワモノにもなりかねないのだが、鈴愛と律が一大発明を成し遂げるために重要な役を担っている。

 小西は1997年に北区つかこうへい劇団への入団をきっかけに、女優デビュー。数多くのドラマ、映画に出演している。2002年公開の初出演映画『阿弥陀堂だより』では、第48回『キネマ旬報賞』新人女優賞、第45回ブルーリボン賞新人賞、第26回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2009年公開の映画『のんちゃんのり弁』では主演を務め、第31回ヨコハマ映画祭主演女優賞、第64回毎日映画コンクール女優主演賞、第24回高崎映画祭 最優秀主演女優賞を受賞している。

 第23週から始まった「再起奮闘編」から登場した恵子は、「グリーングリーングリーン」というメーカーをひとりで立ち上げ、大好きな緑色と手触りのよさにこだわった商品開発を精力的に続けている人物だ。緑色のウィッグを被り、身も心も緑一色なキャラクターで、その見た目に驚愕した視聴者も多いことだろう。しかしひとりメーカーとして活動を続けてきた彼女らしい着眼点で、商品開発や資金集めに苦戦する鈴愛や律に助言をし、起業家としての心得を自身の存在をもって彼らに伝えていく姿は、決してキワモノ枠ではない。ひょうひょうとした態度で鈴愛のアイデアに意見していく様子は、少し変わってはいるものの立派な“起業家”である。「再起奮闘編」において恵子の存在は、その奇抜な見た目で物語にアクセントを、しっかりとした言動で物語に説得力を生み出しているのだ。

 番組公式サイトのインタビューによれば、小西自身も「全身緑」「アニメっぽい声で早口」というキャラクター造形に戸惑ったようだが、衣装合わせで恵子の衣装を身に纏い、緑のウィッグを着用することで腑に落ちたと話している。「ここまで何かを突き詰める人なら、説得力のある言葉も自然と出るはずだ!と納得したんです」と話す小西。恵子の衣装に身を包んだ瞬間に、彼女らしい言動や行動を体現した演技力に脱帽する。

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