『絶対零度』『グッド・ドクター』『dele』などから探る、連続ドラマを彩るゲスト出演者の役割

 医療を扱った作品、あるいは、毎話で依頼や事件のある作品には、しばしば多彩なゲスト出演者が登場する。患者、医者とその家族、犯人もしくは事件関係者としてキャスティングされることが多く、そうした作品のちょっとした見どころでもある。今年の夏クールの作品で言えば、『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)、『健康で文化的な最低限度の生活』(カンテレ・フジテレビ系)、『グッド・ドクター』(フジテレビ系)、『探偵が早すぎる』(読売テレビ・日本テレビ系)、『dele』(テレビ朝日系)などがそうだ。いずれも、ストーリーごとにゲストが登場したわけであるが、こうしてゲストを招く形のドラマの面白さはどこにあるのだろうか。いくつかの類型を見てみよう。

百戦錬磨のゲストによる物語の深み

 先に述べたような、ゲストを招く形式のドラマには、連ドラファンなら「あっ、また出てる!」と思うキャストがいるものである。とりわけ、自分が応援している役者であれば、そういう時はなおさら嬉しい。今クールで言えば、『絶対零度』に、近藤公園、中村新将、小野了、高橋努。『ケンカツ』に、江口のりこ、池田鉄洋、音尾琢真。『探偵が早すぎる』に、マギー、池田鉄洋、相島一之。『グッド・ドクター』に、堀内敬子、近藤公園、高橋洋らが出演した。

 こうした役者陣は多くの場合、熟練の演技力を誇り、その作品に深みをもたらす。どこか影のある事件関係者、心に何か大きなものを抱えた犯人、家族や人生の問題を前に葛藤する人間。こうした役柄を支えるのは、キャラクターに関する深い理解と、それをもとに演じきることができる芝居力であって、百戦錬磨の役者にこそ、画面越しに伝えることができる業である。一朝一夕に身につけられるものではない。時にはいわゆる、バイプレーヤーと紹介される彼ら、彼女らの魅力が、こうしたドラマを支えていることは言うまでもない。

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