上野樹里本人とも重なる? 『グッド・ドクター』絵本に込められた“願い”

 夏美(上野樹里)と患者との深い繋がりが描かれた『グッド・ドクター』(フジテレビ系)の第7話。現在も大人から子供まで馴染みのある“とある絵本”から、湊(山崎賢人)や夏美、登場する人々たちが“愛”を知っていく物語となった。

 「私も出会えるかな? たった1回で」。夏美がかつて担当していた元患者の倉田菜々子(福田麻由子)が、嬉しい報告とあるお願いを持って東郷記念病院にやってきた。同僚の馬渕健太郎(藤原季節)からプロポーズを受けたと言う菜々子は、自身の身体のことを彼に説明してほしいと夏美に頼む。

 菜々子は14歳のときに卵巣嚢腫が見つかり、2つあるうちの1つの卵巣を摘出する手術を行っていた。夏美が「赤ちゃんができづらくなるというリスクがあります。ですが、もう1つの卵巣は残っていますし、問題なく妊娠することはできますので」と健太郎に説明すると、菜々子は「だからさ、結婚のことは考え直してくれていいからね?」とひと言つけ足す。しかし、健太郎は「何言ってんだよ。俺の気持ちは変わらないよ」と菜々子の心配をすぐにかき消した。

 「運命の人と出会うには、このトラ猫みたいに100万回も生きたり死んだりしなきゃ駄目なのかな?」。『100万回生きたねこ』(講談社)は、1977年に出版された佐野洋子作の絵本。100万回生きて、100万回死んだトラ猫が、最後に白い猫に出会い、愛を知り、白い猫が亡くなると100万回泣き続け、トラ猫が死んだあと、もう生き返ることはなかった。「そんなことないよ。だって、この白い猫はたった1回の人生でこのトラ猫と出会って結ばれたでしょ?」。夏美は、ずっと菜々子が素敵な人と出会うことを心から願っていた。

 しかし、菜々子が突発性の発熱を起こして病院へ運ばれてくる。夏美は、菜々子が入院することを知って不安を募らせていた健太郎から「正直、ショックでした」と本音を打ち明けられる。「菜々子の前じゃ言えませんが、ホントはとても子供が欲しいんです」。菜々子と健太郎は保育園で働いており、子供が大好きで、誰よりも子供が欲しいという思いが強いことは、周りの誰もが気づいていた。だが、菜々子の病気が卵巣奇形腫によるもので、残っているもう1つの卵巣も摘出しなければいけない可能性が出てきてしまっていた。

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