“噛ませ犬”勝地涼の存在感 『ヒモメン』は恋愛ドラマとしても、コメディとしても楽しめる

 春日ゆり子(川口春奈)に愛想をつかされて家を追い出されたヒモ男の碑文谷翔(窪田正孝)。行く当てがなく、とうとう池目亮介(勝地涼)の家に転がり込み、大手企業への就職を試みた。『ヒモメン』(テレビ朝日系)第4話では、ゆり子のために奮闘する翔ちゃんと、それを阻む池目先生の関係がコメディタッチに描かれた。

 ヒモ男故に、社会でどう振る舞えばいいかの状況もわからず、グイグイと自分の有利に話を進める翔ちゃん。会社でも相変わらずのラッキーパンチを連発していた。池目に紹介された会社では、AIロボット開発のために中国・上海から招いていた技術者“リン・シャオチャン”と間違われ、開発室長の手柴(長谷川朝晴)と大きなプロジェクトを動かすことになる。テレビで見たサラリーマンの真似をしたり、持ち前の常識のなさで、時に人の心を動かすなど、翔ちゃんはプロジェクトメンバーを良い方向に導いた。さらにはゆり子の気持ちも取り戻し、無事彼女の家にも帰れる。翔ちゃんにとってはハッピーエンドの第4話。一方で、完全に“噛ませ犬”になってしまっている池目先生の魅力も忘れがたい。

 池目先生は密かにゆり子に好意を寄せている。実は部屋の中はゆり子グッズでいっぱいで、日々、なんとか翔ちゃんと別れさせようと必死だ。イケメン、高学歴、高収入とあって、普通の女性なら間違いなく池目先生を選ぶだろうという状況で、ゆり子のダメ男好きが裏目にでる。池目先生の奮闘と、どうしても翔ちゃんからなびく気配のないゆり子の掛け合いでは、毎回必死で翔ちゃんの足を引っ張る姿が笑いを誘っている。

 同作品のユニークな点は、恋愛に絡む男性が少し“難あり”な付き合いにくい人ばかりであることだ。恋愛ドラマとはしばしば、完璧な王子様のような相手が登場しがちである。そのセオリーを覆し、クセの強い男性同士を比較させながら女性の気持ちを探る同作は、恋愛ドラマとしても、コメディとしても楽しめる。

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