『サバイバル・ウェディング』は波瑠のラブコメ代表作となるか? ニュートラルな打たれ強さに期待

 7月クールは「アラサーヒロイン」×「結婚がテーマの恋愛ドラマ」がそろい踏み。『義母と娘のブルース』(TBS系)では、綾瀬はるか演じる33歳のヒロインが年上の子持ち男性と結婚。『高嶺の花』(日本テレビ系)では、石原さとみが演じる29歳のヒロインが結婚式当日に婚約破棄されてしまう。現実でも平成27年には女性の平均初婚年齢が29.4歳になり、この20年で約3歳分、高齢化。アラサー女子にとって、結婚はやはり身近なテーマなのだ。

 そして、7月14日スタートの『サバイバル・ウェディング』では、波瑠が演じる主人公、雑誌編集者のさやかが29歳で“滑り込み婚”をし寿退社しようとする。しかし、婚約者の浮気が発覚して破談に。人生計画が狂ってしまったさやかは、再び職を得るため、女性雑誌のカリスマ編集長・宇佐美(伊勢谷友介)の命令に従い、半年以内の結婚を目指すことになる。「日本で一番恋愛に詳しい」と自称する宇佐美は、さやかに「ファッションのハイブランドを見習って自分の価値を上げろ」とオーダー。さやかは元婚約者の和也(風間俊介)からの連絡をわざと無視してみるが……。そんな数々の恋愛マニュアルが披露されるラブコメディだ。

 この物語の原型は、教養のある男性が年下の女性に自己流の教育をし、大人の女性に育てあげる名作『マイ・フェア・レディ』だろう。2年前には連続ドラマ『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS系)でも、中谷美紀と藤木直人が似たような男女関係を演じ、藤木演じる謎の料理人が上から目線で中谷演じる美容皮膚科医に男心をつかむためのアドバイスをしていた。実はこの作品の原案は作家・水野敬也の書いた『スパルタ婚活塾』で、『サバイバル・ウェディング』の原作は水野の弟子である大橋弘祐が書いた小説だ。構造が『マイ・フェア・レディ』式で似ているのも納得だ。

 ちなみに『マイ・フェア・レディ』の結末でヒギンズ教授が教え子の花売り娘イライザと結ばれるように、このパターンのラブストーリーではヒロインが最後には指南役の男性を選ぶというのが定石。ということは『サバイバル・ウェディング』でもさやかが最終的には宇佐美を選ぶことになるのか?

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