「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『オンネリとアンネリのおうち』

「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『オンネリとアンネリのおうち』

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、リアルサウンド映画部のアダルトチルドレン阿部が、『オンネリとアンネリのおうち』をプッシュします。

『オンネリとアンネリのおうち』

 最近は子供が一生懸命頑張る映画が多くて嬉しいなあ。『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』『フラーハウス』のマッケナ・グレイス、『ワンダーストラック』『クワイエット・プレイス』のミリセント・シモンズ、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』のブルックリン・キンバリー・プリンス、『ワンダー 君は太陽』『ルーム』のジェイコブ・トレンブレイ、『ビューティフル・デイ』『ワンダーストラック』のエカテリーナ・サムソノフなど、今年日本公開される作品で、たくさんの子役がせっせと働いている。

 子供が目覚ましい活躍を見せる中、6月9日にフィンランドから日本にやってくるのは『オンネリとアンネリのおうち』。本作は、同国で長年愛される児童文学を映画化したオンネリとアンネリという2人の少女の物語で、全部で3部作あるシリーズものだ。今回は2014年に公開された第1作目が公開される。

 物語は、「正直者にあげます」と書かれた大金の入った分厚い封筒を拾い、交番に持っていった2人が、めでたく大金を手にするところからスタート。そのお金で2人は水色の素敵な家を買って、一緒に暮らし始める。

 うっとりするくらい鮮やかなインテリアやファッションを混じえ、児童文学らしい微笑ましい物語が進んでいくのだが、実はオンネリとアンネリは両親が忙しすぎて構ってくれないという少し寂しい背景も持っている。オンネリは9人兄弟の真ん中で、上の4人にも下の4人にも入れない独りぼっち。アンネリは離婚した父と母の家を行ったり来たり……。

 ただそれを悲観的に捉えないのが、本作の良いところ。この作品に出てくる大人は、どこかおっちょこちょいで抜けており、憎めない人ばかり。“育児放棄”のようなネガティブな角度ではなく、“自分らしさ”を重んじるフィンランドらしいアプローチで家族が描かれる。

 ちなみにフィンランドは現在、「マタニティ・パッケージ」と呼ばれる生後1年間で使える育児セットが政府から支給されたり、男女ともに充実した育児休暇制度があったりする教育大国。世界でもトップクラスの男女平等を叶えており、また英語でhe/sheにあたる性別を指定する代名詞がない。「彼はor彼女は」と言いたいときはhänのみを使用するという言語的にも性別にこだわらない興味深い国だ。

 それにしても少女2人組ってなんでこんなに惹かれてしまうのか……。『シャイニング』の双子をはじめ、『小さな悪の華』のアンヌとロール、『籠の中の乙女』の“姉妹”などなど、ワンピースを着て手をつなぎ突っ立っている女の子2人の美学を考えてしまう。

■公開情報
『オンネリとアンネリのおうち』
6月9日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
原作:『オンネリとアンネリのおうち』マリヤッタ・クレンニエミ(福⾳館書店)
監督・脚本:サーラ・カンテル
脚本:サミ・ケスキ=ヴァハラ
製作:テーア・フーテア、サリ・レンピアイネン
撮影:マリタ・ヘルフォルス
⾐装:アウリ・トゥルティアイネン
⾳楽:アンナ・マリ・カハラ
編集:アンネ・ラカネン
出演:アーヴァ・メリカント、リリャ・レフト、エイヤ・アフヴォ、ヤッコ・サアリルアマ、ヨハンナ・アフ・シュルテン、エリナ・クニヒティラ、キティ・コッコネン
配給:アット エンタテインメント
2014年/フィンランド/フィンランド語/80分
(c)Zodiak Finland Oy 2014. All rights reserved.
公式サイト:www.onnelianneli.com

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