「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『OVER DRIVE-オーバードライブ-』

編集部の週末オススメ映画(6月1日~)

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、リアルサウンド映画部の薩摩侍こと折田が、『OVER DRIVE』をプッシュします。

『OVER DRIVE』

 公道を全開走行で駆け抜ける、最も過酷な自動車競技「ラリー」。世界中のありとあらゆる道が闘いの舞台となり、ラリーが盛んな欧州、南米ではF1に勝るとも劣らない人気を博している。そんなラリー競技に命を賭けて挑む若者たちの姿を描いた『OVER DRIVE』は、最高に胸アツな作品だ。

 この物語に挑むのは『海猿』シリーズ(2004−2012)、『銀色のシーズン』(2008)といった男たちの骨太ドラマや 、今をときめく若手俳優が勢揃いした『暗殺教室』(2015−2016)、西島秀俊からビートたけしまでの大スターたちを擁した『劇場版 MOZU』など、日本映画界のメインストリームで数々の大作を放ってきた羽住英一郎監督だ。プロのレーサーの葛藤と、彼が0.1秒でも速く走れるように奮闘するメカニックたち、そして不本意ながら彼らを支えるべく行動をともにするうちに次第にチームの一員となっていく女性エージェント。彼ら三者三様のドラマが、“ホンモノ志向”の監督の意向に沿って繰り広げられるドラマとして交錯していく。

 よく「男は車が好き」と耳にするが(最近はどうか分からないが、そんなイメージはやはりある)、男である筆者は車というものに、もっと大きく言えば“マシン”なるものに、これといって興味を持ったことがない。しかし本作のために用意されたホンモノのマシンと、ホンモノの走りの数々が生み出す、タイトル通りの超絶ドライブ感溢れる映像には、さすがに心を鷲掴みにされてしまった。

 もちろん「ラリー」を扱った作品である以上、コンクリートジャングル・東京や、全国各地に赴いてのロケ撮影による映像の迫力は必須。恐らくそこは誰が観ても最低限のラインを優に超えていると言えるのではないだろうか。それに加えて本作は、東出昌大や新田真剣佑、森川葵に北村匠海、そして町田啓太といった若き俳優たちのぶつかり合いこそが見ものである。それぞれが自身のうちに想いを秘めつつ、ときにその想いを飲み込み、ときにその想いを誰かに打ち明け、それらすべてを見つめる私たちも、気がつけばチームの一員となり、共闘しているような感覚になる。

 巻き上げる砂埃、飛び散る汗、飛び交う怒号、劇場内に鳴り響くモーター音、そして上映時間105分を駆け抜けるアツいドラマ。長引く5月病も、これで吹き飛ばせること間違いなし!

■公開情報
『OVER DRIVE』
全国東宝系にて公開中
出演:東出昌大、新田真剣佑、森川葵、北村匠海、町田啓太、要潤、吉田鋼太郎
監督:羽住英一郎
脚本:桑村さや香
音楽:佐藤直紀
配給:東宝
製作:映画「OVER DRIVE」製作委員会
制作プロダクション:ロボット
(c)映画「OVER DRIVE」製作委員会
公式サイト:http://overdrive-movie.jp/

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