豊川悦司、井川遥、中村倫也らが異彩放つ 『半分、青い。』東京編スタート

 『半分、青い。』(NHK総合)第6週「叫びたい!」で、物語はいよいよ「東京・胸騒ぎ編」へと突入。6話から連なる1週分のエピソードを週の真ん中・水曜日で鈴愛(永野芽郁)が岐阜から上京することにより、「岐阜・故郷編」からの移り変わりを色濃く映し出していた。

 鈴愛を筆頭に岐阜に住む面々も相当変わったキャラクターが揃っているが、東京の人々もそれに負けず劣らずのメンツである。それを代表するのが、やはり少女漫画家・秋風羽織(豊川悦司)だろう。第4週「夢見たい!」で秋風の漫画作品に出会うことにより、鈴愛は上京を夢見ることになる。
 

 そこから徐々に秋風の事務所「オフィス・ティンカーベル」チームは物語に顔を出すようになってくるが、第6週でそのベールが段々と見えてくる。自身を天才と呼ぶ、ロン毛にサングラスのオッサンである秋風は、掴みどころのない人物。大人であり子供な熱しやすく冷めやすい彼は、作品のアイデアになるのなら自分の家にも火をつける、なんだってする危険な天才肌だ。鈴愛が左耳が聞こえないことを打ち明けても、「片耳聞こえないなんていうのはいいフックになるかもな。いつか、そんな話書いてみたらどうだ」とハンデが上乗せになる世界だと、鈴愛に希望を持たせる。……のだが、一方で「岐阜の猿」「五平餅」と彼女を呼び、挙句の果てにはご飯を作るための飯アシ(飯アシスタント)として雇われた「五平餅要員」「炭水化物要員」だと、鈴愛をキレさせる大人気ない部分もある。

 気難しくわがままな秋風のマネージメントを務める美人秘書が菱本若菜(井川遥)。DCブランド・ピンクハウスを着こなし、理路整然と捲し立て、ときには秋風を手玉にも取る、オフィス・ティンカーベルの影のボスでもある。上京してきた鈴愛にオフィスと寮となる秋風ハウスを淡々と案内していく菱本だが、彼女の心情を見透かしたように一言挟むことで、刃向かわれないようにしっかりとマウントしていくところに、菱本の性格が表れている。

 そんな菱本を「ひしもっちゃん」と呼ぶ、通称“ボクテ”が藤堂誠(志尊淳)。秋風の元でアシスタントとして働くゲイである。初日から“やってまった”鈴愛の失敗をリカバーし、不安でいっぱいの彼女へ一番に声をかける明るい美青年で、秋風の話を聞く眼差しからは前向きな人柄が垣間見える。同じく秋風のアシスタントとして働く小宮裕子(清野菜名)は、通称“ユーコ”。見る見るうちに10円玉が吸い込まれていく電話料金と戦いながら岐阜の家族と話す鈴愛の姿を鼻で笑い、「私には話す相手がいない」と家族との不仲を匂わす、ポジティブな鈴愛とは対照的な人物だ。

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