白石「月綾子の言葉は、私自身も気持ちがいい」

ーー白石さんはこのドラマをどう見ていますか？

白石：男性が抱いているピュアな夢を打ち砕いていく月綾子の言葉は、私自身も気持ちがいいなと思うことが多いですね。女性目線で格好いいと感じる部分があるので、女性が観ても共感する部分があると思います。

ーー佐藤さんが制作決定時に「どうでもいいようにみえることに心血を注ぐことを職業柄よくやる」とコメントしていましたが、具体的にどういうことでしょう？

佐藤：芸事をやっている人は、なるべく精神年齢が低く、大人になってしまわずにいたいと思っている人が多い気がします。俺の敬愛する舞台演出家が、舞台の打ち上げの後の朝方に、若い俳優から「帰るの寂しいから今から沖縄に行きましょう」って言われたときに、それを断りたくなくて、そのまま沖縄に行ったんです。そういうバカバカしい突拍子もないことに対して、「もう大人だし、そんなのやらないよ」ってなるとつまらないって思いには共感できます。まあ個人的には、さすがに打ち上げの後の朝方にそのまま沖縄に行く勇気は僕にはありませんが（笑）。

ーー白石さんは、どうでもいいと思っているけど、つい熱中しちゃうようなことってありますか？

白石：私はゲームが好きなので、寝る時間を惜しんででも夜中から朝方までやっちゃうことはあります。『ロックマン』『星のカービィ』『マリオカート』などのテレビゲームなんですけど、戦う系からレース系まで結構なんでもやりますね。友達やお姉ちゃんが家に来たときに一緒にお酒を飲みながら、ついハマりすぎてしまうんです。

ーー「やれた」か「やれたとは言えない」かを判定するのは、一見くだらないような話だとも感じますが、実際にドラマを観ると、“くだらないこと”から“新しいタイプの恋愛ドラマ”ができたとも感じました。“くだらない”って結構重要なんだなと。

佐藤：やっぱり、くだらない話の方が楽しかったりするじゃないですか。実利が伴ったりすると楽しめなかったり。くだらない話をするときに、肩の力が抜けて楽しいっていうのが、結構大きな理由だと思います。あと、くだらないことがなくなった世の中ってぞっとしない？　そういうところに案外大事な答えが埋まってる気がするんですよね。

白石：私もメンバーといるときは、今話題なことだったり昨日観たテレビの話だったり、ほとんどどうでもいいような話をして盛り上がることが多いです。いい意味でリラックスできるというか、しょうもない会話でも、笑えることがすごく幸せなんだろうなと感じます。

佐藤「笑える要素の大きな部分を白石麻衣が担っています」

ーー佐藤さんと白石さんならではのこの作品の楽しみ方を教えてください。

佐藤：すぐ“やれちゃう”人もいるじゃないですか。半分は負け惜しみなんだけど、すごく後悔する夜がある人の方が、人生の色合いとしてはカラフルな気がします。恋愛に限らず、ちょっと綻びがあったり悔しさがあったりする方が、人生が豊かになっているような。登場人物みんなが真剣で、人生哲学みたいな回もあれば、グッとくる回もあるし、もちろん笑える回もある。複数人で観て、ワイワイ話して楽しめるようなドラマになれたらいいですね。

白石：ぜひ女性の方にも観てほしいです。面白い話なんですけど、キュンとするようなストーリーもあります。やっぱりそれぞれのキャラクターが面白いので、視聴者の方も「やれた」「やれたとは言えない」の判断を考えながら楽しんでほしいです。

佐藤：それと、この作品での笑える要素のかなり大きな部分を白石麻衣が担っています。そこも注目してほしいですね。

ーー乃木坂46のメンバーにも観てほしいですね。

白石：ぜひ観てほしいです！

佐藤：いや、もうそれはマストです。みんなで毎回観てください。

白石：一応、20歳越えで（笑）。

佐藤：そうだね。10代には目隠しで（笑）。

（取材・文＝大和田茉椰／撮影＝伊藤惇）

■放送情報
『やれたかも委員会』
MBS：毎週日曜深夜0:50～
TBS：毎週火曜深夜1:28～
dTV・NETFLIX　毎週水曜深夜0:00～
出演：佐藤二朗、白石麻衣（乃木坂46）、山田孝之、間宮祥太朗、勧修寺保都、小倉優香、浜野謙太、倉持由香、森永悠希、武田玲奈、永野宗典、江夏詩織、杉野遥亮、山本舞香、中尾明慶、森川葵、矢野聖人、山地まり、MEGUMI、福田麻由子、小関裕太
演出：山口雅俊
脚本：山崎淳也 橋口俊貴
原作：吉田貴司『やれたかも委員会』（cakes・双葉社）
製作：ドラマ「やれたかも委員会」製作委員会・MBS
(c)2018 吉田貴司／ドラマ「やれたかも委員会」製作委員会・MBS (c)吉田貴司
公式サイト：http://yaretakamoiinkai.com/

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