佐々木希、『デイジー・ラック』楓役のハマりっぷり 海野つなみ原作漫画からの変更点を読む

 第1話の終わりには、3年間ヨーロッパでパンの修行をしていた安芸(鈴木伸之)が登場し、29歳の素人を雇ったのかと彼が店長に悪態をつくところで終了する。のちにこの安芸が楓の新しい恋のお相手となるのだが……実は、原作では安芸と楓はかなり早い段階で出会う。

 というのも、原作は全2巻の第8話までしかなく、今回のドラマ全10話に対して大幅にストーリーが足されている(新装版『デイジー・ラック』1巻でも、ドラマスタートに当たって、海野が「脚本家さんが大変」と触れているほど)。第1話冒頭、小学5年生のひなぎく会も、楓がパン屋に雇ってもらうまでも、えみの結婚式も、原作では描かれておらず、細かいことを言えばえみの「結婚して8年。30歳目前」という設定も、ドラマでは変更になっている。4人を順繰り2周する形で展開された原作だったが、ドラマではまた別の『デイジー・ラック』が描かれていくのは間違いないだろう。楓だけでなく、薫、ミチル、えみの恋愛、人生がドラマ版ではどのように進んでいくのか、原作と比べながら視聴するのも一つの楽しみ方になりそうだ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
NHKドラマ10『デイジー・ラック』
NHK総合 毎週金曜22:00〜放送(連続10回)
出演:佐々木希、夏菜 、中川翔子、徳永えり、鈴木伸之、桐山漣、磯村勇斗、長谷川朝晴、浅香航大、柳俊太郎、MEGUMI、矢野聖人、井上苑子、芦名星、とよた真帆、小林隆、片平なぎさほか
原作:海野つなみ
脚本:横田理恵、山岡潤平
公式サイト:http://www.nhk.or.jp/drama10/daisyluck/index.html

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