坂口健太郎主演『シグナル 長期未解決事件捜査班』にみる、韓国ドラマリメイクの可能性

 韓国版『シグナル』には、実際に韓国で起きた事件をモデルとしたと思われる未解決事件が登場する。特に有名なものは「韓国三大未解決事件」と呼ばれ、いずれも2006年に時効が成立。その中でも「華城連続殺人事件」と「故イ・ヒョンホ君誘拐事件」は、『シグナル』で描かれる事件と類似していると感じられる部分が多い。

 さらに、劇中での法改正も現実の韓国での法改正と重なる部分があった。韓国では実際、2015年に殺人や強盗殺人罪の公訴時効を廃止する法改正案が成立している。『シグナル』の放送開始は2016年1月からなので、かなりタイムリーな問題を扱った作品であったと言える。このように韓国での法律や時事問題に準じたストーリーのリメイクとあり、細かな法案などが日本でどのように表現されていくのかも見どころとなりそうだ。

 過去の韓国ドラマのリメイク作品としては、長瀬智也が主演を務めた『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』(日本テレビ系)が平均視聴率19.13%でを記録し、該当クールの中でトップを獲るほどのヒットを飛ばした。日本でリメイクするからといって、全てが日本色になるのではなく、程よく本国のスパイスを残した作りは、ドラマの未来にどのように左右するのだろうか。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■ドラマ情報 
『シグナル 長期未解決事件捜査班』
4月10日(火)21:00スタート(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)※初回15分拡大
出演:坂口健太郎、北村一輝、吉瀬美智子、木村祐一、池田鉄洋、甲本雅裕、渡部篤郎
脚本:尾崎将也
演出:内片輝、鈴木浩介
音楽:林ゆうき、橘 麻美
プロデューサー:萩原 崇(カンテレ)笠置高弘(カンテレ)石田麻衣(ホリプロ)
制作著作:カンテレ
(c)関西テレビ
公式サイト:https://www.ktv.jp/signal/index.html

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