中村倫也の涙に亀梨和也の心が動く 『FINAL CUT』“愛する人”を巡る、それぞれの想い


 また、『ザ・プレミアワイド』のカメラマン・皆川義和(やついいちろう)が、矢口の顔写真を見て「いかにも人殺しそうな、薄暗い顔してるよ」と口にしていた。これは、私たちの身の周りでもよく耳にする発言ではないだろうか。世間は身勝手に何かと理由をこじつけ、たとえ真実でなくてもそれが事実だと決めつけたがる。たとえ真犯人が見つかったとしても、多くの人は「なんだ違ったのか」と思うだけで、自分のこれまでの発言に責任を感じない。誰かを犯人に仕立て上げた罪は、問われないのだから。

 慶介もまた12年前に、愛する人である母・恭子(裕木奈江)を、メディアと世間に女児殺害事件の犯人扱いされ、無実の罪で亡くしている。「もう一度会いたい」と何度も思っているはずだ。そして、小河原姉妹の妹・若葉(橋本環奈)と、姉の雪子(栗山千明)もまた、愛する人である兄・祥太を失ったと思っていた。さらに、そんな兄を目的に近づいてきた慶介を、彼女たちは愛してしまったのだ。慶介は、雪子に呼び出された際に、矢口から涙ながらにかけられた「誰かと出会ったら、しがみついてでも、失わないでください」という言葉を思い出していた。一度、愛する人を失った慶介は、次こそ愛する人にしがみつくことができるのだろうか。

(文=戸塚安友奈)

■放送情報
『FINAL CUT』
毎週火曜21:00~21:54(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)
出演:亀梨和也、藤木直人、栗山千明、橋本環奈、林遣都、高木雄也(Hey! Say! JUMP)、やついいちろう、杉本哲太、裕木奈江、鶴見辰吾、升毅、水野美紀、佐々木蔵之介
脚本:金子ありさ
音楽:菅野祐悟
演出:三宅喜重(カンテレ)、日暮謙
プロデューサー:豊福陽子(カンテレ)
制作著作:カンテレ
(c)関西テレビ
公式サイト:https://www.ktv.jp/finalcut/index.html

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