瀧本美織、切ない初恋を経て“越路吹雪”へ 『越路吹雪物語』第4週を振り返る

 帯ドラマ劇場『越路吹雪物語』(テレビ朝日)第4週では、様々な出来事が起こった。時子(木南晴夏)の父・雄三(佐戸井けん太)の死、美保子(瀧本美織)の新潟時代の親友・八重子(市川由衣)との再会、そして別れ……。さらに、第3週から描かれていた美保子の初恋相手・福本亮一(町井祥真)との恋愛模様にも決着が。初心な美保子を待つ、その切ない結末に視聴者が釘付けになった。

 美保子にとって、亮一は名前も知らない憧れの相手。服装から“帝大さん”とニックネームを付けていた。道でばったりすれ違っても声もかけられない。美保子の気持ちを察した八重子は、「勇気出してちゃんと言いなね。それは素敵な、とっても大切なことだから」と初めての恋を後押しする。喫茶「すみれ」で、美保子は再び亮一を見かける。もちろん、亮一は美保子の顔を覚えてはいない。思わずティーカップを持つ手が震える美保子。「(まずは名前……)」と言い聞かせ、意を決して立ち上がる美保子だったが、同じタイミングで妙齢の女性が店に入ってくる。その人は、ニッコリと笑い、亮一の元へ。脱力し席に座る美保子は、2人の話をただじっと聞くことしかできなかった。「でも、意外。亮一さんがこのお店を知っていたなんて」。皮肉にも、美保子はそんな会話の一言から帝大さんの名前を知ることになってしまう。

 さらに、美保子を追い討ちにかけるのが、亮一の彼女・菅野葉子(長内映里香)から飛び出る「両親との食事」「結納」という言葉。ショックを隠しきれない美保子が喫茶店を後にしようとすると、なんと葉子が「花組の越路吹雪さんですよね?」と声をかけてくるのだ。初舞台を観てファンになったという葉子は、美保子に握手をお願いする。初めてのファンが、初恋相手の婚約者。しかし、美保子は宝塚の看板を背負い、「もちろん」とキリッとした顔立ちと男勝りの声で葉子の期待に応えてみせる。「では、失礼します」と颯爽と歩き出す美保子に、亮一が「かっこいいね」とつぶやくのが、何とも切ない。

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