錦戸亮「スピーチの英語だけで、死ぬほど緊張」 『羊の木』日本外国特派員協会で流暢な英語を披露

 錦戸亮と吉田大八監督がタッグを組んだ映画『羊の木』(2月3日公開)の記者会見が、日本外国特派員協会にて1月31日に開催され、メガホンを取った吉田大八監督と主演の関ジャニ∞の錦戸亮が登壇した。

 本作は、2014年文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した、山上たつひこといがらしみきおによる同名コミックを、『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』の吉田監督のメガホンによって実写映画化したヒューマンミステリー。受刑者を仮出所させ、過疎化が進む町で受け入れる国家の極秘プロジェクトを担当することになった、ある寂れた港町“魚深”の市役所職員・月末が、6人の元殺人犯の男女と関わっていく模様を描く。主人公の市役所職員・月末役で錦戸が主演を務めるほか、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平が6人の元殺人犯を演じる。 

吉田大八監督

 『羊の木』は、ワールドプレミアとなった第22回釜山国際映画祭でのキム・ジソク賞の受賞をはじめ、第53回シカゴ国際映画祭、第37回ハワイ国際映画祭にも公式出品するなど、日本での公開を前に早くも高い評価を得ている。ジャニーズ事務所としても初の会見登壇となった主演の錦戸は、英語で挨拶を行うだけでなく、本作について熱く語った。

 登場してまもなく、錦戸は「今日はお越しいただきありがとうございます。この映画を通して、『もし自分のコミュニティに全く分からない人が入ってきたらどうするだろう』という風に考えました。そしてこの作品がエンターテインメントでありながら社会的な側面もある映画だなと思いました。この映画が、過疎化、そして移民などの問題について色々と考えるきっかけになれればと思っています」と英語でスピーチし、会場に拍手が巻き起こった。

錦戸亮

 本作での役作りに関して質問を受けた錦戸は、「普段は煌びやかなステージに出させてもらったり、『キャーキャー』言われる場所で仕事をすることもありますが、唯一、ひとりで仕事する場所が“お芝居する場所”。なので、そこに関しては自分のアイドル的な部分は一切出す必要はないと昔から思っていました」と普段から心がけていることを明かした。また、吉田監督は、「月末という役は、“市役所職員”という一見、普通のキャラクターですが、普通でありながら常に映画の中に映ってますから、彼が魅力的でないとこの映画は成立しない。これまでの映画とかドラマを通じての彼しか僕は知らなかったですけど、ごく普通の青年を演じていながら、ずっと目で追ってしまう、視線を惹きつける力がすごいなと思っていて、この役に必要な彼に声をかけました」と明かした。

 また、記者から「映画を通じて、恋愛に対して考えられたことはありますか? 例えばご結婚したいなとか思われたことは?」と問われた錦戸は、「今33歳で、惹かれる人がいたら、一つの選択肢ではあると思うんですけど、今は全く考えられないですね」と答えていた。 

錦戸亮と吉田大八監督

 芝居をする上で参考にしている外国人俳優を聞かれた錦戸は、「もちろん監督から、お芝居について教えてもらったことで、募ってくものもあると思います。この映画をやるにあたって、参考にした俳優さんは正直思い浮かばなくて、普段観てる映画だったり、よく目に止まる役者さんの演技を観ているうちに、その人たちが先生になってるんじゃないかな」と回答。また、「僕の先生で言ったら、ジェイク・ギレンホール、デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ、そういう人たちの映画ばっかり、好きな映画を何回も観るんです。だから、多分それが気づかないうちに、被ってきているというか、僕なりにやってると思うんですけど」と明かした。

 最後に錦戸は「もしあるんやとしたら、いつかはハリウッドにもちろん挑戦させてもらいたいです。でも今日、頭のスピーチの英語だけで、死ぬほど緊張していたので(笑)。もっと語学力とか大事なんでしょうけども、語学力どうこう抜きに、使いたい俳優って言われるような俳優にまず日本でなれたらなと思います」と今後の展望を語った。

(取材・文・写真=大和田茉椰)

■公開情報
『羊の木』
2月3日(土)全国ロードショー
出演:錦戸亮、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平
監督:吉田大八
脚本:香川まさひと
原作:『羊の木』(講談社イブニングKC刊) 山上たつひこ、いがらしみきお
配給:アスミック・エース
(c)2018「羊の木」製作委員会 (c)山上たつひこ いがらしみきお/講談社
公式サイト:http://hitsujinoki-movie.com/

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