『相棒』水谷豊×反町隆史の魅力とは? 歴代コンビと比較して考察

 水谷の魅力は、何があっても揺るがない個性。どんな脚本がきても『相棒』の世界観は大きくブレず、だからこそいろんなチャレンジができる。話題となったシーズン15の最終回では、真相究明のためなら何でも利用する右京のスタンドプレーに対し「俺の想像の及ばない狙いがあっての事」という前振りをして「根本にあるのは所詮自己満足でしょうが」と右京を亘がとがめる。それに対し「想像が及ばないのなら、黙っていろ!」と初めて“相棒”に怒鳴りつけ怒りをあらわにする右京。今までの相棒たちならここで怯むだろうが、プライドの高い亘は「右京さん、あなた何様だ」とやり返す。その様子からは、ぶつかり合えるほどの親しい仲になったのか、いつでも亀裂が入る仲なのか、色々と深読みができる。そして本シーズンでの亘は、怒鳴られたのが効いているのか、右京が何を考え、何をしようとしているのかを先読みするというスタイルになる。ツッコミを入れたり、おだてたり、いつもの調子の良さで右京をコントロールし始めている傾向なのが、今までの『相棒』にない展開で、水谷の個性を弄ぶ感じが面白い。相棒と言うよりいい友達、そんな2人の距離間が絶妙である。

 さて、1日放送の「サクラ」は、聖夜のイベント会場で発砲事件が発生し、容疑者として3人の高校生が浮上する。消えた被害者の謎、サイバーテロ、不穏な動きを見せる国家権力など謎多き事件に特命係が挑む。2018年の2人の活躍に乞うご期待!

(文=本 手)

■放送情報
『相棒 season16』第10話「サクラ」
テレビ朝日にて、1月1日21:00〜23:15放送
脚本:太田愛
監督:内片輝
出演:水谷豊、反町隆史、鈴木杏樹、大杉漣、仲間由紀恵、石坂浩二
ゲスト:健太郎、篠井英介、梶原善、鶴見辰吾

関連記事