遠藤憲一、クスリとさせる独特の面白さ 『わろてんか』“ギョロ目の鬼さん”の魅力
てんがドイツ人社長に謝りに出向いたこと、自分を責めていることを知った儀兵衛は、家族みんなが見ている前で酒瓶の中身を全て捨て、「これで化け猫は出てこうへん! てんが化け猫を退治してくれたわ」と話し、てんの笑い禁止令を解く。“ギョロ目の鬼さん”と言われた儀兵衛の表情には笑顔が満ち溢れ、父親としての貫禄と共に、娘を思う慈悲深さも垣間見える。時折見え隠れする心のほころび、厳格な父親の姿とのギャップに、思わず見ているこちらも心を掴まれる。そして、久しぶりに藤岡屋に笑い声が溢れた瞬間でもあった。
振り返れば、てんが習い事の琴で「さくら」を弾くシーンでは、見守る儀兵衛が琴の音程に合わせユニークに音程を外し、周囲の人望も厚い儀兵衛が街中で大胆にくしゃみをするシーンでは、一斉に周りを歩く人々がコントのようにコケていた。思わずクスリとさせられる、独特の笑いを届けてくれるのが儀兵衛。明るい人物の多い『わろてんか』の中で、唯一のポジションにいるのが彼なのである。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter
■番組情報
NHK連続テレビ小説『わろてんか』
出演:葵わかな、松坂桃李、濱田岳、高橋一生、遠藤憲一、鈴木保奈美、竹下景子、千葉雄大、堀田真由、徳永えり、広瀬アリス、大野拓朗、前野朋哉、藤井隆、枝元萌、兵動大樹、内場勝則、鈴木京香、岡本玲、新井美羽、鈴木福、前田旺志郎
作:吉田智子
音楽:横山克
平成29年10月2日(月)~平成30年3月31日(土)全151回(予定)
<総合>
(月~土)午前8時~8時15分/午後0時45分~1時[再]
<BSプレミアム>
(月~土)午前7時30分~7時45分/午後11時~11時15分[再]
(土) 午前9時30分~11時[1週間分]
公式サイト:http://www.nhk.or.jp/warotenka/