広瀬すず、福山雅治らに「生きてるんだな」と天然発言 『三度目の殺人』舞台挨拶レポ
本日7月31日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、『三度目の殺人』の完成披露試写会が行われ、主演の福山雅治をはじめ、役所広司、広瀬すず、吉田鋼太郎、斉藤由貴、満島真之介、是枝裕和監督が舞台挨拶に登壇した。
本作は、是枝監督と福山が『そして父になる』(2013年)以来、二度目のタッグを組んだ法廷心理サスペンス。裁判をビジネスと割り切る弁護士・重盛が、二度目の殺人を犯した男・三隅の弁護を引き受け、調査するにつれて違和感を覚えていく模様を描く。
福山に続いて登場した役所が、「“ましゃ”と“すず”という歓声の間を歩いてくる寂しさったらないですね……」と口にすると、会場から笑いとともに「こうじー!」という黄色い声援が上がった。その声にはにかみながらお礼を言った役所は、「映画には好き嫌いはあると思いますが、僕はこの映画が大好きです」と本作への愛を語る。
第74回ヴェネチア国際映画祭にてコンペティション部門の正式出品が決まった本作。今の気持ちを尋ねられた是枝監督は、「これまで色々な映画祭をまわりましたが、一つ目の作品『幻の光』で、初めて訪れたのがヴェネチアだっただったので、自分にとって特別な映画祭なんですね」と話し、「自分を世に出してくれた恩もありますし、22年ぶりに新しい作品を持って訪れるので、成長した姿をヴェネチアのみなさんに観てもらえると思うと、楽しみです」とコメント。
今回、福山と初共演を果たした吉田は、「一番初めに入った時に、福山さんはちょっと嫌なやつだなって思ったんですよね」と当時を振り返る。まさかの“嫌なやつ”発言に戸惑う福山は、「それは役じゃなくて僕がですか?」と確認。その問いに頷く吉田は、そう思った理由について、福山が挨拶以外で一言も口を聞いてくれず、目も合わせてくれなかったというエピソードを披露した。「やっぱりスターだからこういう人なんだと、この人とこれから二ヶ月やるんじゃたまったもんじゃないなと思った」と冗談交じりに、ぶっちゃける。だが、その後の福山は第一印象とは全く違い、接しやすかったと話し、「おそらく福山さんなりに緊張なさっていたんじゃないか」と推測した。
吉田の話を聞いた福山は、「50歳も近くなって、今更こんなこと言うのもなんなんですが、基本人見知りなんですよ」と明かし、吉田との初対面のときもかなり緊張していたと説明。「僕の中で、鋼太郎さんも人見知りなんじゃないかな? と思い、人見知りシンクロしてしまいました」と続ける。吉田も人見知りであることを認め、互いに「失礼しました」と謝り合い、会場を笑いに包んだ。
撮影中、そんな福山と吉田と3人で行動を共にすることが多かったという満島。飲みに行ったり、激辛ラーメンを食べに行ったりしたという様々な思い出を振り返り、「すごく仲良くなったんですよ」と声を弾ませた。そんな満島に対し、福山は「満島くんは稀代のムードメーカーですよ。こんなに人から嫌われない人も珍しいってくらい」と人柄を絶賛。
一方、3人が激辛ラーメンを食べている時に横で眺めていたという広瀬は、「お三方がすごく汗を流しながら食べている姿を見て、もう生きてるんだなって思った」と天然発言を繰り出し、会場をざわつかせる。慌てて、「役がです! 役として生きてるってことです」と続け、撮影の裏側でも3人の距離感や表情が役柄の様に生きていたと説明した。
(取材・文・写真=戸塚安友奈)
そんな広瀬との共演について福山は「事前に是枝監督やリリー(・フランキー)さんから『広瀬すずちゃんに会うと、みんな甘酸っぱい気持ちになるんですよ』と聞いていたんですが、そんなんないでしょと思っていたんですよ。でも、実際にお会いしたら、まぁ、甘酸っぱくなるんですよね。なんなんでしょうね」と首を傾げる。続いて、広瀬と会って、甘酸っぱい気持ちになったかと尋ねられた役所は、「僕はですね、斉藤さんも甘酸っぱい気持ちがしました」と言い、会場をドッと沸かせた。
最後に福山が、本作について「とても文学的であり、同時に一人ひとりが参加できるようなエンターテイメント性も持ち合わせている作品になっていると思います」と締めくくり、会場を後にした。
■公開情報
『三度目の殺人』
9月9日(土)全国ロードショー
監督・脚本・編集:是枝裕和
音楽:ルトヴィコ・エイナウディ
撮影:瀧本幹也
美術監督:種田陽平
出演:福山雅治、広瀬すず、吉田鋼太郎、斉藤由貴、満島真之介、市川実日子、橋爪功、役所広司
製作:フジテレビジョン アミューズ ギャガ
配給:東宝、ギャガ
(c)2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ
公式サイト:gaga.ne.jp/sandome