『たたら侍』ハリウッドプレミア徹底レポ 「青柳翔は、リーダーであり、親友であり、メンター」

質疑応答の模様

 上映後は監督、キャストへの質疑応答へ。挫折と葛藤を抱えた伍介という人物を演じる上でのポイントを聞かれた青柳は、「皆さんは観ていて、『伍介、ちゃんとしろ!』って思ったはずです。僕も同じように思いながら演じていました(笑)」と言って笑いを誘い、「実際にたたら吹きを見せてもらったりして、役へのイメージを固めていった」と述べた。AKIRAは、印象に残った台詞を聞かれ、「刀を抜くことは即、死を意味する」と回答。侍は刀を抜かないことこそが美徳であること、戦わずして解決することが大事であることを強調した。また、AKIRA演じる真之介が、みんなを導く役柄であったことについては、「僕は映画の中とは違って、青柳翔に付いて行っています」と答え、小林直己は英語で、「青柳翔は僕らのリーダーであり、親友であり、メンターです」と、実際の関係性を説明した。さらにAKIRAは、「(みんなを導く役ができたのは)強いて言うなら、本人は照れるかもしれないけれど、僕らのボスであるHIROさんの背中を見てきたからこそ」と、HIROの影響を明かした。また、錦織監督は、「日本人は自分のことは言わないで、我慢して耐えるのが美徳とされてきたので、消極的なタイプだと誤解されている。もの静かだけれど、心は熱い人が多い。本作を通じてそれが伝われば」と、改めて本作が伝えようとする精神性について解説した。

実際に使われた衣装や、吉原義人による刀剣も展示された

 アフターパーティーでは、監督やキャストらが報道陣への質問に答えるほか、訪れた招待客たちと和やかに歓談する姿も見られた。パーティーに出席していた現地の映画プロデューサーに、本作への感想を聞くと、「アクションシーンと、俳優たちが演じているシーンのバランスが良い。黒澤明映画へのオマージュに代表されるように、過去の侍映画のテクニックを多用しているのだが、アクション一辺倒ではなく、しっかりとストーリーを描いている。人の生死の重さを意識しているからこその演出で、そこに感動した。また、衣装やメイクも素晴らしい。特に主人公たちの煤で汚れたメイクにはリアリティを感じた。クラシックな映画の見方を知っている、目の肥えた映画ファンこそ気にいる作品だと思う」と評していた。

 『たたら侍』は、日本では5月20日より全国ロードショーとなり、6月2日にカリフォルニアをはじめ、ニューヨーク、ワシントンなど全米9州12都市で上映される。

(取材・文=松田広宣)

■公開情報
『たたら侍』
5月20日(土)より、新宿バルト9 TOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開
監督:錦織良成
エグゼクティヴ・プロデューサー:EXILE HIRO
出演:青柳翔、小林直己、田畑智子、石井杏奈、高橋長英、甲本雅裕、宮崎美子、品川徹、でんでん、氏家恵、橋爪遼、安部康二郎、菅田俊、音尾琢真、早乙女太一、中村嘉葎雄、佐野史郎、豊原功補、山本圭、笹野高史、AKIRA、奈良岡朋子、津川雅彦
配給:LDH PICTURES
(c)2017「たたら侍」製作委員会
公式サイト:tatara-samurai.jp

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