平沢進「金星」が『美しい星』劇中曲に 「奇妙で得体の知れない現実感を味わいました」
5月26日に公開される吉田大八監督作『美しい星』より、平沢進の「金星」が劇中曲として提供されることが決定し、あわせてコメントが公開された。
本作は、三島由紀夫による同名小説を現代設定に脚色して実写化した異色SF映画。ある日突然、自分たちは宇宙人であると覚醒した平凡な家族・大杉家が、「美しい星・地球」を救う使命があると信じ、それぞれに奮闘する模様を描く。
このたび提供されたのは、1979年にデビューしたテクノポップバンド“P-MODEL”を率いた平沢が、89年のソロ転向時に発表した楽曲「金星」。同楽曲は劇中で、竹宮薫(若葉竜也)とその相方・イズミ(樋井明日香)のデュオの持ち歌という設定で用いられ、若葉・樋井が歌声と演奏を披露する。
平沢は2000年以降、今敏監督のアニメーション作品(『妄想代理人』、『千年女優』、『パプリカ』)や『ベルセルク』シリーズなどで、独自の音楽世界を提供。吉田監督は平沢に対して「ぼくのものの考え方の半分くらいを作った人」とコメントしている。
コメント
平沢進(音楽家)
自分が演奏し、歌った楽曲がスクリーンから流れてくるのを聞くのは慣れていますが、今回のような経験は初めてです。
奇妙で得体の知れない現実感を味わいました。まるで知らない国で迷子になり、自分の庭に埋めたはずの種が知らない民家の窓辺で花咲いているのを目撃したような感じです。
吉田大八(脚本・監督)
平沢進さんは、僕が高校生の頃からずっと聴いてきて、ものすごく影響を受けたミュージシャンです。
だから金星人の暁子が竹宮と出会うきっかけを歌と決めた瞬間、その歌は平沢さんの名曲『金星』以外にありえない! と興奮しました。大好きな曲がズバリのタイトルなんだから、それは当然そうなりますよね(笑)。
そして歌詞まで勝手にシナリオに書き込んで、なんとかお許しが出るように祈ってました。ホントにそういうミーハーな理由です。(談)
橋本愛(大杉暁子役)
最初にシナリオを読ませていただいた時に『金星』は監督がオリジナルで書いた曲だと思って、よくこんな絶妙な歌詞を書けるなあと思っていたら既存の楽曲で、それから平沢さんのオリジナルを聴いて、すごくはまりました。
映画の冒頭でライブを観に行くシーンで、若葉さんが『金星』を歌っていて、好きな歌を生で聴けて、やっぱり音楽っていいなあって思ったのが印象に残っています。
若葉竜也(竹宮薫役)
平沢進さんの「金星」という名曲を歌うというのは、相当なプレッシャーでした。
平沢さんの唄う金星を何度も何度も聴き込んで、歌詞とメロディーはもちろん、ブレスのタイミング、歌詞の強弱も頭に叩き込んだ上で、竹宮として平然と、そしてサラッと歌いきりました。吉田大八監督からのチクチクとさり気無いプレッシャーを感じながら、必死に食らいついた「美しい星」です。
■公開情報
『美しい星』
5月26日(金)全国ロードショー
出演:リリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子、佐々木蔵之介
原作:三島由紀夫「美しい星」(新潮文庫刊)
監督:吉田大八
脚本:吉田大八、甲斐聖太郎
製作:「美しい星」製作委員会
助成:文化庁文化芸術振興費補助金
企画・制作プロダクション:リクリ
企画・製作幹事・配給:ギャガ
(c)2017「美しい星」製作委員会
公式サイト:gaga.ne.jp/hoshi/