『仮面ライダーアマゾンズ』藤田富、武田玲奈インタビュー
藤田富&武田玲奈が語る、国民的ヒーローを演じるために必要なこと 武田「弱音を人に見せたくない」
Amazonプライム・ビデオで、2016年4月1日から独占配信されている『仮面ライダーアマゾンズ』のオリジナル版を再編集したTV版が、BS朝日、TOKYO MXにて現在放送中だ。本作は、1974年に放送された仮面ライダーシリーズ第4作『仮面ライダーアマゾン』をもとに、新たなる仮面ライダー、仮面ライダーアマゾンオメガと仮面ライダーアマゾンアルファの活躍を描く。リアルサウンド映画部では、仮面ライダーアマゾンオメガこと水澤悠役を演じる藤田富と、本作のヒロイン・水澤美月役を演じる武田玲奈にインタビューを実施し、国民的ヒーロー作品に参加した心境や印象に残っている撮影時のエピソードのほか、をそれぞれ語ってもらった。
藤田「ヒーローを演じている意識はあまりなかった」
──国民的ヒーローを演じることが決まって、今どんな気持ちですか?
藤田富(以下、藤田):これまで『仮面ライダー』シリーズのオーディションを2度受けて2回とも落ちているので、本当に念願が叶いました。仮面ライダーを演じることにプレッシャーがなかったわけではないですが、武田さんや谷口賢志さん、東亜優さんと初めて顔合わせをした時に、石田秀範監督から「仮面ライダーをやると思わないで、ひとりの人間としてそれぞれのドラマを演じてほしい」と聞いていたので、僕としてもヒーローを演じている意識はあまりなかったですね。どちらかというと、水澤悠という人間の内面を丁寧に演じていこうと意識しました。それでも、実際に放送を見ると、やっぱり仮面ライダーって格好いいなって興奮しましたが。
──武田さんは仮面ライダーのヒロイン役は憧れだったらしいですね。
武田玲奈(以下、武田):やっぱり仮面ライダーのヒロインは女優の登竜門と言われているし、色んな女優の方が経験しているので、ずっと憧れていました。憧れていた分、ヒロイン役としての責任を強く感じました。ただ、アマゾンズはこれまでのシリーズと違って、シリアスな人間ドラマが中心に描かれているので、私も私なりに水澤美月に向き合ってきちんと演じられたかなって思います。
──二人で義理の兄妹を演じる上で、なにか話合うことはありましたか?
武田:なかったですよね?
藤田:そうですね……なかったですね(笑)。4ヶ月くらい撮影期間がありましたが、武田さんと言葉を交わしたのは二言三言くらいだった気がする。
武田:それは言い過ぎですよ(笑)。
藤田:でも、悠という役を演じる上で、美月のことも考えていたんですけど、美月という役は武田さんじゃなければ成立しないと思っています。僕が演じる悠には、武田さんが演じる美月が必要というか。もちろんお芝居なんですけど、美月が悠のことを引き留めてくれる時や心配して会いに来てくれた時は、本当に嬉しく感じました。
武田:藤田さんとはモデルの仕事現場ではご一緒したことがありますが、役者としては初めてでした。やっぱりモデルの時とは雰囲気が違うというか、役について深く考えていてすごいなーって。私はどちらかというと、役のイメージを膨らませて感覚的に演じてしまう節があるので、そこは見習いたいなと思いました。
藤田:いやいや。武田さんは弱音をまったく表に出さないんですよ。もしかしたら、この子には弱音という概念がないんじゃないかって(笑)。豪雨の中で演技をするシーンがあるのですが、僕はすぐ顔に出るタイプなので、すごい嫌そうな顔をしていたと思いますが、武田さんはひとつも表情に出ていなかった。絶対寒かったと僕は思ってるんですけど、実際にあの時はどうだっだの?
武田:普通に寒かったです。でも弱音を人に見せたくないんですよね……特に理由はないのですが。でも、その雨のシーンはつらかったです。共演者の方は身長が高いので、私は見上げる演技が多くなるのですが、雨が目に入ってきてコンタクトが大変なことになってました(笑)。そんな状況の中で撮影を頑張ったこともあるし、そのシーンは美月の心情が一気に表にでる重要な場面でもあるので、個人的にみなさんに観ていただきたいです。
藤田:ものすごい力で引っ張られたのを覚えてる。美月だけでなく、女優・武田玲奈の強さもあのシーンには詰まっていると思います。
──藤田さんは思い出深いシーンはありますか?
藤田:悠が鷹山仁に説教されるシーンがお気に入りで、台本以上のものが出来上がったと思っています。谷口さんの鬼気迫る演技に引っ張られて、僕自身の気持ちも高まったので、相乗効果で演技に迫力が出ました。谷口さんはいい兄貴分という感じで僕をリードしてくれて。言葉でアドバイスをくれるわけではないのですが、「俺の演技を見てればわかるだろ」と無言で語ってくれたというか……大事なことは演技で示してくれました。谷口さんのおかげで僕も成長できたと思いますし、きっと仁と悠の関係もそういうものなんだと思います。