北川景子、“大人なドS女性”はハマり役か? 『家売るオンナ』強烈キャラの新しさ

 北川景子主演のドラマ『家売るオンナ』(日本テレビ系)は、7月13日の初回放送で視聴率12.4%を獲得しており、世間の評判を見ても、好スタートを切ったといえる。結婚後のドラマ初出演となる北川自身が「大胆に振り切った作品なので、私自身も新しい挑戦になると思いますし、笑えるシーンもあるので、とにかく楽しんでいただければ」(参考:モデルプレス「北川景子「新しい挑戦になる」圧倒的美貌を誇る、波乱万丈な“ヒロイン”に抜擢<コメント到着>」)と語るように、彼女の新たなる一面が見られる、実に面白い作品となっている。

クールでドSな役が見事にハマった、北川景子

 このドラマは、東京オリンピックを4年後に控え、住宅売買の競争が激しく繰り広げられている東京を舞台に、「私に売れない家はない」とあらゆる手段を使ってでも家を売る、スーパー営業ウーマン三軒家万智の姿を描く物語。北川演じる三軒家万智は、売り上げ成績はずば抜けているが社内では怖れられる人物で、どこかロボット的で感情を表に出さず、笑顔で客に媚びを売るような営業もせず、「人はいずれ死ぬものです」など相手の心理をついた歯に衣着せぬ言動で家を売りまくる。一見、客のプライベートに土足で踏み込んでは相手の弱みにつけ込み、売れない物件を売りつける商売をしているように見えるのだが、実際には買い手側の家族が抱える問題をしっかりと解決してから気持ちよく買わせているため、どこか一本筋が通っていてかっこいいのである。また、昨今ならパワーハラスメントと捉えられかねない厳しい指導も厭わず、ダメな社員にはサンドイッチマンをやるように指示したりして、ダメなりに使いこなす。その様は気を使いすぎてギクシャクしがちな昨今において、むしろ痛快にも映る(ダメな若手社員である工藤阿須加やイモトアヤコも実に良い演技をしている)。

 同役について、新しい挑戦になると語っている北川。彼女のこれまでの出演作を見ると、フジテレビ系で放送されていたドラマ『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』や『謎解きはディナーのあとで』などでは、その美貌を活かし、お嬢様風で勝ち気な性格を持つ役柄を演じていた。しかし、2014年に放送された『HERO 第2シリーズ』(フジテレビ系)では、普段はクールを装っているが、隠しきれないヤンキーの素性を持つドSな事務次官役がハマり役と評され、その後、2015年に放送された『探偵の探偵』(フジテレビ系)でもまったく笑わないクールな役を演じるなど、近年の北川は勝ち気な女性役がハマると実証されている。その流れを考えると、今回の三軒家万智役が見事にハマっているのも不思議ではない。

 そこに新しさを感じるとするなら、存在するだけで場面に緊張感が走るような、凄みが加わっているところではないか。先輩として物事を見通している大人の女性ならではの雰囲気が、演技だけでなくビジュアルからも伝わってくる。もちろん、『セカンドバージン』や『コントレール〜罪と恋〜』などを手がけてきた脚本家・大石静の手腕もあるが、もうすぐ30歳を迎える北川の品格が、三軒家万智を演じる中で滲み出てきているのかもしれない。

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