高橋一生の存在感が高まっている理由 名バイプレイヤーの“役作りしない演技”から探る

 他の近しいキャリアの俳優と比較すると、高橋の特異性はより際立つ。たとえば、同じように助演として存在感を発揮する安田顕や大森南朋らは、ダンディーな男という印象が強い。しかし、高橋は35歳とは思えない可愛らしさと大人の色気をあわせもつ。その“ギャップ”もまた大きな魅力のひとつだ。高橋はキャリアが長く、1990年に公開された『ほしをつぐもの』で子役としてデビューを果たしている。その後も順調に出演作を重ね、ジブリアニメである1991年の『おもひでぽろぽろ』、1995年の『耳をすませば』では、声優としても活躍。脇役が多いため、主役を張る俳優のように一気に知名度が上がることはなかった高橋だが、ゆっくりと、だが着実に「あ、この人見たことあるよね」を積み重ね、名実ともに頭角を現してきた。しかしながら、そのキャリアによって固着したイメージに囚われることはなかった。常にフレッシュさを保っているのが高橋の稀有な部分で、それが可愛らしさと高い演技力というふたつの特性を両立させているのではないだろうか。

 海外の戯曲などもよく読んでいるという努力家な高橋は、独特な感性をもち、演じることを誰よりも楽しむ。役に命を与え、作品そのものを輝かせる高橋の才能は、これからも多くのファンを生み出すに違いない。

(文=戸塚安友奈)

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