小松菜奈はなぜ女優業でも成功したのか? “華やかさ”という異質感の魅力

 作品の中で、その存在感が浮いてしまうことは失敗を意味することが多いが、小松の違和感や異質感は、作品に馴染む。そんな小松には海外からも出演のオファーが届いている。遠藤周作の「沈黙」を巨匠マーティン・スコセッシ監督が映画化した『Silence(原題)』でハリウッドデビューする。王道の青春ものや、有無を言わさぬ存在感が必要とされる役柄で見せる彼女の姿も魅力的だが、そのポテンシャルが異質に感じられる作品でこそ、輝きを増すのはまぎれもない事実だろう。

■磯部正和
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

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