脚本家・演出家/登米裕一の日常的演技論

モテるドS男子に必要なのは女子力だった? Sexy Zone・中島健人の演技から考える

 モテるドS男子は、他者を嫌っているから厳しいのではなく、心の底では相手を応援し、むしろ愛情を注いで成長を促しているのだと思います。そして、愛を持った眼差しがあるからこそ、そこに信頼関係が成立する気がするんですよね。女子力が高く、同じ視点から見ても尊敬できる相手であれば、なおさら魅力的に映るはずです。いうなれば、誰よりも乙女心を理解したアイドルとして“ラブホリ王子様”の異名を持つスイーツな中島君だからこそ、ドS男子として成立するのだと思います。

 そう考えると、多くの男性は流行っているからといって安易に彼らの真似をするのはよくない気がします。自分の能力を棚にあげ、愛もないのに説教をしたり、無理難題をふっかけるのはただのハラスメントですからね。モテるドS男子になるためには、まずは自分に対して人一倍の厳しさを持つのが第一歩だと思うのです。

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■登米裕一
脚本家・演出家。映画『くちびるに歌を』CX『おわらないものがたり』NHK『謎解きLIVEシリーズ』などの脚本を担当。大学時代に旗揚げをした劇団『キリンバズウカ』の主宰も務める。個性豊かな登場人物たちによる軽快な会話の応酬を持ち味としており、若手作家の躍進著しい演劇界の中でも、大きな注目を集める。また演技指導家としても評価を得ており、現在多くのワークショップ依頼を受けている。

■公開情報
『黒崎くんの言いなりになんてならない』
2月27日(土)全国ロードショー
出演:中島健人、小松菜奈、千葉雄大、高月彩良、岸 優太、
監督:月川 翔
脚本:松田裕子
主題歌:「Make my day」Sexy Zone(PONY CANYON)
原作:マキノ『黒崎くんの言いなりになんてならない』(講談社「別冊フレンド」連載中)
企画製作:日本テレビ放送網 
制作プロダクション:日活 
制作協力:AOI Pro. 
配給:ショウゲート
(C)「黒崎くんの言いなりになんてならない」製作委員会 
(C)マキノ/講談社
公式サイト:kurosakikun-movie.com

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