黒沢清最新作『クリーピー 偽りの隣人』ワールドプレミアで拍手喝采 黒沢「興奮を感じて欲しい」

『クリーピー』ワールドプレミア開催
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【左から】西島秀俊、竹内結子、香川照之

 黒沢清最新作『クリーピー 偽りの隣人』のワールドプレミアが、第66回ベルリン国際映画祭で開催された。

 第66回ベルリン国際映画祭に正式出品された『クリーピー 偽りの隣人』は、ある夫婦の日常が、奇妙な隣人への疑惑と不安から深い闇へと引きずり込まれていく模様を描くサスペンス・スリラー。西島秀俊が主演を務め、香川照之、竹内結子、東出昌大、川口春奈らが出演している。

 ドイツ現地時間2月13日21:00より、「ベルリナーレ・スペシャル」部門でのワールドプレミア上映が開催され、黒沢清監督、西島秀俊、竹内結子、香川照之が参加。現地では、フォトコール、記者会見、レッドカーペット、そしてワールドプレミアとなる公式上映の舞台挨拶が行われた。

 黒沢清監督にとってベルリン国際映画祭は、第49回でフォーラム部門に出品した『ニンゲン合格』以来17年ぶりで、西島秀俊は第52回でパノラマ部門に出品された『いたいふたり』以来、14年ぶりの参加。また、香川照之は『ジョン・ラーベ~南京のシンドラー』以来7年ぶり、竹内結子は今回が初めての参加だ。

 上映後の舞台挨拶では、黒沢清監督に名前を呼ばれ、西島秀俊、竹内結子、香川照之がステージに登場。満席の会場からの拍手に西島は「これほどの盛り上がりはこれまでにないほど。とても幸せな上映でした」と述べ、香川はドイツ語で「皆さん、こんばんは。香川照之です。私は映画のキャラクターと同じ性格です」と自身が演じた奇妙な隣人役に引っ掛けた挨拶で会場を沸かした。

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【左から】西島秀俊、黒沢清、竹内結子

 

記者会見 コメント

黒沢清監督

怖いから始まり、徐々に引きこまれて心がウキウキしていく、滅多に観れない映画になったと思います。興奮を感じて欲しいです。家族という基本的なコミュニティと思われていたものが壊れてきて、孤独と隙間が生まれています。映画はそこにつけ込んだ悪意を描きました。家族と言う単位が揺らいでいる原因の根は、とても深いと思います。

舞台挨拶 コメント

黒沢清監督

こんな気味の悪い映画を、こんな美しい会場で上映するということを決断していただいたベルリン映画祭には本当に勇気があるなと、深く感謝いたします。世界で初めての上映で、大きな劇場だったので、不安もあったが、満席の客席と、上映中のお客さんの反応がとても嬉しかったです。映画の中ではかなり変な人ばかり出てくるのですが、ここに並んでいる3人の俳優は、普段はみんな紳士的で優しい人たちだということをこの場を借りて言っておきたいと思います。

西島秀俊

(監督のコメントを受けて)香川さんはちょっとクレイジーなところがあります(笑)。ベルリン映画祭に呼んでいただいたことを、そしてこんなに素晴らしい劇場で、たくさんの皆さんに観ていただいたことを非常に光栄に思っています。ありがとうございます。とても大きな劇場で、入った瞬間に驚きました。観客の皆さんと一緒に映画を観て、とても楽しんで観てくれていると感じた。盛り上がりと反応の良さは、これまで感じた事が無いほどで、とても幸せな上映でした。

竹内結子

ああ、これが映画祭ってやつか、ってお客様の反応を見ながら感じました。こうやって反応してくださる方がいて、こうやって映画が完成するんだなって、この作品に出演できてすごく幸せです。とても素晴らしい体験をありがとうございました。

香川照之

黒沢監督のような本当に素晴らしい監督とともにベルリンの地に立てたことに本当に感謝します。黒沢監督ありがとう。そして最後まで見てくださって本当にありがとうございます。これほど拍手が起きた上映は、今までで一番かもしれません。

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■公開情報
『クリーピー 偽りの隣人』
6月18日(土) 全国ロードショー
出演:西島秀俊、竹内結子、川口春奈、東出昌大、香川照之
監督:黒沢清
原作:「クリーピー」前川 裕(光文社文庫刊)
脚本:黒沢清、池田千尋
音楽:羽深由理
製作:「クリーピー」製作委員会
制作:松竹撮影所
配給:松竹、アスミック・エース
(c)2016「クリーピー」製作委員会
公式サイト:creepy-movie.com

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