【ライトノベル週間ランキング】

『転スラ』完結、キスマイ・宮田のラノベ新刊、『リコリコ』スピンオフ……人気タイトルずらりのラノベランキング

 Rakutenブックスのライトノベル週間ランキング(2025年11月10日~16日)は、人気シリーズの最新刊が並んだ。1位は、2014年の刊行開始から11年を経て完結する伏瀬の『転生したらスライムだった件23』(GCノベルズ)。通り魔に刺されて死んだ男が、異世界でスライムという最弱のモンスターに転生しながら、スキルを使ってだんだんと力を付けていき、魔物たちを従え国家を打ち立て、魔王にまで上り詰めるストーリーで読者をワクワクさせ続けた。

 川上泰樹によるコミカライズと、2018年から始まったアニメ化が「転スラ」人気をさらに押し上げ、今では全世界にファンがいる作品になっている。最新巻では、盟主リムル=テンペストの帰還によってここしばらく続いていた戦いが終幕に向けて動き出すが、そこに波乱の兆しが見えてリムルに決断を迫る。11月29日発売の最終巻で長大な物語がどう決着するかに注目が集まる。

 本編は完結しても、コミカライズやアニメはまた続く。2026年2月27日には、新作映画『劇場版 転生したらスライムだった件 蒼海の涙編』が公開となって、久々に動くリムルたちを見せてくれる。スピンオフ作品も登場予定。ランキングで7位に入った本編と同時発売の『転生したらスライムだった件 番外編 ~とある休暇の過ごし方~』(GCノベルズ)は、リムルと暴風竜ヴェルドラ、そしてヒナタの愉快な休暇の様子を楽しめそうだ。

 2位は、11月25日発売の衣笠彰梧『ようこそ実力至上主義の教室へ 3年生編3』(MF文庫J)。TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 4th Season 2年生編1学期』の放送が2026年4月から始まると発表されてファンを喜ばせているが、原作は既に3年生編に入って主人公の綾小路清隆が驚くべき行動に踏み切り、2年生編までのクラス間の戦いという構図を崩しに来た。最新刊の舞台は1年生編、2年生編でも盛り上がった無人島試験。どのようなゲームが繰り広げられ、そこで清隆が何をするかが大いに気になる。

 3位は、2026年1月23日発売の甘岸久弥『魔導具師ダリヤはうつむかない ~今日から自由な職人ライフ~13 小冊子付き特装版』(MFブックス)。ヴォルフレードと共にスカルファロット家を訪れるダリヤたちに驚きの事態が発生する。特装版として作者書き下ろし短編や公式4コマ『まどダリ』、キャラクターデザインなどを収録した豪華フルカラー小冊子が付く。

 4位は、Kis-My-Ft2の宮田俊哉によるライトノベル待望の続編にドラマCDが付いた『【ドラマCD付き特装版】境界のメロディ2』(メディワークス文庫)。小説は第1巻にも登場したバンド、サムライアーのメンバーがロンドンに行って起こる不思議な出来事が描かれる。ドラマCDは Snow Manの佐久間大介が演じるカイと声優の伊東健人が演じるキョウスケに、サムライアーのタケシを内田雄馬、マコトを武内駿輔、ミノルを斉藤壮馬という超人気声優たちが演じ、登場人物たちが繰り広げるロンドンでの出来事が描かれる。宮田のロンドン取材から生まれた『境界のメロディ2 ロンドン取材ノート』も付く。11月25日発売。

 『境界のメロディ2』は通常版が21位に入り、前巻の『【ドラマCD付き特装版】境界のメロディ』(メディアワークス文庫)も22位に浮上。新刊の評判を聞いて改めて第1巻を手に取ったり、ドラマCDを聞いて作品の世界に浸ったりしたい人も出ている模様。TVアニメ化も決定して盛り上がっていく「境メロ」シリーズから目が離せない。

 5位は、11月20日発売の賀東招二『フルメタル・パニック! Family3』(ファンタジア文庫)。世界の敵と戦った相良宗介も千鳥かなめと結婚して子供ができて、平穏に暮らしているかと思いきや様々な敵に狙われ続ける日々。そうした中で起こるドタバタが「フルメタ」シリーズならではのミリタリー描写もたっぷりに綴られる。かつての宗介の上官、”テッサ”こそテレサ・テスタロッサも登場してかなめの心境はいかに。往年の「フルメタ」ファン、とりわけテッサのファンなら必読の最新巻だ。

 6位は、支倉凍砂『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙XIII 羊たちの宴<下>』(電撃文庫)。賢狼ホロの娘のミューリと聖職者コルの旅の先で、コルが目指す教会の改革に繋がりそうな大きな出来事が起こる。ミューリの両親でホロと元行商人のロレンスが営む湯屋が舞台のコミックス『狼と香辛料Spring LogⅡ』(電撃コミックスNEXT)も発売されて、来年20周年を迎えることになるシリーズへの注目が改めて集まって来ている。

 8位は、タナ原作で瑞本千紗漫画の『婚約破棄の次は偽装婚約。さて、その次は……。 5』(アリアンローズコミックス)、10位も、徒然花原作、木野咲カズラ漫画の『誰かこの状況を説明してください! ~契約から始まるウェディング~ 11』(アリアンローズコミックス)と女性に人気のシリーズ最新刊が入った。9位は大森藤ノ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか21』(GA文庫)。「ダンまち」シリーズは2026年2月7日にアニメ10周年イベント「Aedes Vesta -聖火の軌跡-」の開催を控えていて、そこで「青い紐」が初めて公式グッズ化されるとのこと。ただの青い紐との違いを確かめたくなる。

 11位以下で注目は、大ヒットアニメ『リコリス・リコイル』の原案者のアサウラによるスピンオフ小説『リコリス・リコイル Gluttony days』(電撃文庫)。2022年の放送から時間も経って喫茶リコリコに集う面々のその後が大いに気になっていた今年、全6話のショートムービーが配信されて変わらない千束やたきなの姿で楽しませてくれた。スピンオフ小説の登場で人気も先に続きそう。こうなるとTVシリーズの第2期にも期待したくなってくる。

※参考:Rakutenブックス「ライトノベル 週間ランキング」 

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