自公連立離脱表明で注目再燃 中北浩爾『自公政権とは何か』が緊急重版
政治学者・中北浩爾による著書『自公政権とは何か―「連立」にみる強さの正体』(ちくま新書、2019年刊)の重版が決定した。2025年10月10日に公明党の斉藤鉄夫代表が自民党との連立離脱を表明したことを受け、同書への関心が再び高まっている。
本書は、1999年から続いた自民党と公明党の連立を「なぜ長期に安定して維持できたのか」という観点から分析したもの。日本政治における「連立」という枠組みの意義や構造的な特徴を検証し、与党間の利害調整の仕組みや支持基盤の結びつきなどを論じている。
著者の中北浩爾は現代日本政治論の第一人者として著名な政治学者。著書に『一九五五年体制の成立』(東京大学出版会)、『日本労働政治の国際関係史』(岩波書店)、『現代日本の政党デモクラシー』(岩波新書)、『自民党政治の変容』(NHKブックス)、『自民党ー「一強」の実像』『日本共産党ー「革命」を夢見た 100年』(以上、中公新書)などがある。
重版分の帯には、中北による新論考「自公政権の終焉と自維政権の行方」へのQRコードが付されており、11月5日に出荷開始予定。中北は同論考で、「『実利』が失われたばかりでなく、人脈に基づく「情」も失われ、自公政権は終わりを迎えた。(中略)しかし、現在のところ、自維政権は自公政権ほどの強さを持ちそうにない(一部抜粋)」と指摘している。
■書誌情報
『自公政権とは何か ー「連立」にみる強さの正体』
著者:中北浩爾
価格:1,320円(税込)
発売日:2019年5月
出版社:筑摩書房