中沢元紀、朝ドラ『あんぱん』の撮影現場で学んだことーー小栗旬、北村匠海からの影響を語る
2025年上半期の朝の連続テレビ小説『あんぱん』で柳井嵩の弟・千尋を演じたことで、注目を集めている俳優・中沢元紀。今年12月には人気コミックを実写化した映画『WIND BREAKER /ウィンドブレイカー』の公開も控えているなど、いま最も勢いのある若手俳優のひとりだ。
そんな中沢にとって初めての写真集『ルート』(ワニブックス)が10月1日に発売された。本書は2024年5月から2025年7月にかけて約1年を通して撮影され、四季を歩む姿やスタジオでのポートレート、さらには故郷・茨城県で愛猫と過ごす自然体の表情まで、中沢のさまざまな姿が収められている。
今回のインタビューでは、初の写真集に込めた思いや撮影の裏側に加え、朝ドラ出演を経て感じたこと、そして所属事務所・トライストーンの代表である俳優・小栗旬から受けた影響について語ってもらった。
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1年を通じての撮影「間違いなくプラスの変化」
――本書は、中沢さんにとって初めての写真集です。発売することが決まった時の気持ちは?
中沢:もちろん、めちゃくちゃ嬉しかったです。僕の中では、写真集というものは「求めてくださる方がいないと作れないもの」というイメージがあって。求めていただけたから実現できたという意味でも、本当にありがたいなと思いました。
――1年かけて撮影したとのこと。完成した写真集を見て、変化を感じることは?
中沢:感じました。まず顔が全く違っていて(笑)。それは自分にとって、結構な衝撃でした。周りの方からも「顔つきが変わったね」と言われることがあったのですが、正直に言えば自覚はなかったんです。ただ、こうやって1年を記録した写真集を見て、時の流れを感じました。
――それは良い変化だと感じますか?
中沢:そうですね。1年以上かけて撮影したので、自分で見ても驚くほど表情や雰囲気が変化していることを感じたのですが、それは間違いなくプラスの変化だと思っていて。言葉が合っているかは分かりませんが…「洗練されている」というか。この1年だけでも大きな作品に携わらせていただいたことで、揉まれながらも頑張っている感じが表情にも表れているなと感じます。
スタッフさんに「先輩みたいだね」と言われて(笑)
――写真集は、季節ごとに撮影したんですよね。季節ごとに4人のカメラマンと撮影していたので、それぞれの章ごとにガラッと雰囲気が変わっているように感じます。
中沢:ただ、自分から何かを変えようとは思っていなくて。撮影してくださるカメラマンさんによって、自然と変化していくものだと思っていたので、僕は自然体でいることを心がけましたね。カメラを意識せずに撮られることも多くて、気負わずに臨むことができたと思います。
――お気に入りのカットはありますか?
中沢:ほんっっとうに選べなくて(笑)。それぞれの季節ごとにお気に入りの写真はあるんですけど…その中でも冬のパートは大好きです。
雪が降っているなか、駅で待っている写真があるのですが、その写真には雪の粒も写っているんです。映画のような雰囲気で撮影していただいて、一枚だけでも物語が浮かんでくるような写真になっているんです。
――確かに映画のワンシーンのような章です。
中沢:撮影中には、スタッフさんに「先輩みたいだね」と言われていて(笑)。その流れで「先輩!」って呼ばれていたんです。完成した写真を見ると、確かに自分で見ても「先輩っぽさ」があるというか(笑)。
そのカットは群馬県で撮影したのですが、「地元の先輩」に見えてきて、びっくりしました(笑)。今になって振り返ると、自分のなかでも、そういう役のイメージを作っていたのかな。
――地元・茨城県での章では、猫と戯れている写真も収録されています。
中沢:実家で飼っている猫の「ルート」と一緒に写真を撮ってもらいました。撮影のために、外に連れ出したのですが、普段は家で飼っているので、最初は平気でも徐々に機嫌が変わってきて(笑)。最後の方は、撮影は気にせず、ただ散歩してるだけになってました(笑)。あの日は、ルート中心で撮影していましたね(笑)。
――写真集のタイトルは愛猫の名前が由来だったんですね!
中沢:そうですね(笑)。ただそれだけでなく、1年という長い”道のり”を歩みながら制作したという「ROUTE」と、俳優としても人間としても"根っこ"がここにある、という意味での「ROOT」。3つの意味を込めて、カタカナの「ルート」にしました。タイトルも即決でしたね。
『あんぱん』で学んだこと 北村匠海からの影響
――本書には写真だけでなく、季節ごとに中沢さんの当時の心情が綴られているインタビューも収録されています。
中沢:『あんぱん』を撮影する前、撮影した後にインタビューをしていただいたのですが、揉まれながら第一線で活躍している先輩方とお芝居をするなかで、役者としてお芝居のこと、現場での居方など、自分の中で考え方が変化している感覚があって。その道のりを感じていただけるという意味でも、タイトルの「ルート」を象徴していて、読み応えがあると思います。
――特に『あんぱん』の千尋にとって大事なシーンの撮影前後にインタビューされていて、当時の心境がリアルに綴られています。
中沢:そうですね。冬の章では、最後に兄貴と対話するシーンを撮影した日の数週間前にお話ししていて。撮影した直後にもインタビューしていただいたので、どちらも鮮度の高い内容になっていると思います。
――朝ドラ『あんぱん』で共演された北村匠海さんの「現場での居方」にも影響を受けたとお話ししていました。
中沢:そうですね。現場での立ち振る舞いというのは「お芝居以前の問題」だと思っていて、やはりそこが大事だなと、より強く感じるようになりました。誰だって気持ちよく仕事をしたいはずですし、一人の人間として「また一緒に仕事をしたい」と思っていただける存在でいなければいけない。そう思ってもらえることで生まれた撮影現場の空気感は、結果として良い作品づくりにつながると思うんです。
「現場での居方」は人それぞれで「これをやればいい」ということでもなくて。匠海さんの居方、今田美桜さんの居方も違いますし…松嶋菜々子さんは演じる役に合わせて、あえて共演者と距離を置かれていたりもして。役柄や作品ごとに変わるものでもありますが、僕も自分のスタイルを見極めていく段階に入った気がします。
――役や作品によって変わる。
中沢:そうですね。『ストロボ・エッジ』の撮影現場では、是永大樹という大型犬のようなキャラクターを演じたこともあり、役に助けられていろんな人に話しかけるようにしていました。個人的には、そういうタイプではないんですけど(笑)。
朝ドラ『あんぱん』の千尋役では、朝ドラ初出演ということもあり、ベテランのスタッフさん方から「ちーちゃん、ちーちゃん」と可愛がっていただきました。もちろん、分かりやすい悪役を演じるなら居方も変わってくると思いますが、笑顔があふれる現場を作りたいと思っています。
役者としての意識「小栗さんの言葉をお借りするなら…」
――写真集収録のインタビューを読んでいると、レッスンを受けていた時代にコロナ禍で先が見えないなかで身体作りなどに励んでいたエピソードが紹介されていました。今でも役のために普段から準備されているんだなと感じました。
中沢:そうですね。やっぱり俳優は──小栗旬さんの言葉をお借りするなら「俳優は『今日ここで走って』と言われたら、走らなければならない」。これは、小栗さんのインタビューでもお話されていたことでもあり、事務所での運動会で皆さんにお話していたことです。
俳優は何でも応えられる準備をして現場に行かないといけない。そういう要望にいつでも応えられるように、という準備はしています。
――その一方で、小栗さんや北村さんなど映画監督として作品を手がける俳優もいます。俳優でありながら作品全体をプロデュースする役割を担うことを求められてきていますが、中沢さんもそのようなことを意識していますか?
中沢:そうですね…。監督と意見を交わすことで監督から返ってきた言葉を聞いて成長できることもあるし、自分の意思や意見を伝えたりディスカッションをしたりすることがいいシーンを作る上で必要になってくる場合もあると思っています。そうやって意見を伝えることを増やしていきたい、というより…これから増えていくんだろうなと思います。
――このインタビューの前日には、東京ガールズコレクションでランウェイを歩いていたり、出演作の公開も控えており、忙しい日々を送っているのかと。目まぐるしい日々を過ごしている今の心境は?
中沢:そうですね。これから舞台も始まりますし、舞台の稽古中に作品が被る可能性もある。正直に言えば、極力、合間を縫いたくないとは思っています。
でも、それは小栗さんがずっとやってこられていたことで、頑張らないといけない時期だと思っています。それでも、どんなに忙しくても、役に対しては絶対におろそかにしたくない。短時間でも深く入りこめるように、理解できるように──これまでの経験を活かして頑張っていきたいと思っています。
■書誌情報
中沢元紀 ファースト写真集 『 ルート 』
価格:3740円
発売日:2025年10月1日
出版社:ワニブックス
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