猪塚健太、初写真集『Thank you ALL!』で表現する自身の“いま”と感謝の気持ち
俳優として舞台や映像作品で活躍を重ねてきた猪塚健太が、自身初となる写真集『Thank you ALL!』を10月8日に発売した。台湾の街並みを背景に、リラックスした姿やドラマチックな瞬間まで、多彩な姿を切り取った一冊で、猪塚の“いま”を感じられる内容となっている。
猪塚も所属するチーム・ハンサム!は、今年20周年を迎えた。これを記念して、9月27日より東京・大阪のhmv museumで巡回開催される『20th Anniversary ULTRA HANDSOME MUSEUM Prologue "ZERO“』や、チーム・ハンサム!×ABCテレビによるオムニバスラブストーリー『君としたキスはいつまでも』の放送、ハンサムの記念本やアルバム発売など、さまざまな企画が進行中だ。さらに、12 月 27 日・28 日には、パシフィコ横浜国立大ホールで『Amuse Presents 20th Anniversary ULTRA HANDSOME LIVE 2025“ZERO”』が開催され、盛り上がりは最高潮に向かう。
今回のインタビューでは、写真集のタイトルに込めた思いや制作の背景、これまでのハンサムライブで見てきた景色などについて、猪塚にたっぷり語ってもらった。(東谷好依)
39歳まで自分なりに歩んできた証を残したい
――1st 写真集の発売、おめでとうございます。タイトル「Thank you ALL!」には、どのような思いを込められたのでしょうか。
猪塚健太(以下、猪塚):デビュー何周年とか、40歳の記念とか、いろんな選択肢があったんですけど、僕の中で一番大事にしているのが「ありがとう」っていう気持ちで。39歳は“サンキュー”と読めるのがすごくいいなと思って、「39歳のうちに出したいです」と伝えました。タイトルにも“サンキュー”を入れたいと思って、ファンの方や、周りの方、みんなへの感謝を伝えるのに一番しっくりきたのが「Thank you ALL!」という言葉だったんです。いまの僕があるのは、これまで出会ってきたすべての人のおかげ。そんな想いをギュッと詰め込んだタイトルになりました。
――2021年に刊行されたパーソナルブックも「Special Thanks」というタイトルでしたよね。感謝の気持ちを強く持つようになったのは、いつ頃からだったのでしょうか?
猪塚:大学時代にお芝居を始めたんですが、一度事務所を辞めて、フリーで1年くらい活動していた時期があったんです。本当に大変で、「1人じゃ何もできないんだ」と思い知りました。その後、アミューズに入って「劇団プレステージ」に所属。仕事がなければ自分たちで舞台を作って観てもらおう、という劇団だったので、スタッフさんの手配から運営、グッズやパンフレット制作まで、すべてを自分たちで行いました。
――最初は学芸大学にある「千本桜ホール」で公演をされていたと、以前のインタビュー(※1)でもお話しされていましたね。
猪塚:数十席を埋めるのにも、毎回必死でしたね。お客さまがいなければ、僕らの仕事は成り立たない。その実感を重ねていくなかで、自然と周囲への感謝の気持ちが強くなっていったんだと思います。いまだからこそ言えますが、若い頃に売れて、仕事がひっきりなしに入るような状況にならなくて良かった。苦しかった時期がなければ、感謝の気持ちを持つこともなく、結果的に愛されない人間になっていたかもしれません。39歳まで自分なりに歩んできた証を残したい……写真集のタイトルには、そんな思いも込めています。
猪塚:せっかくの機会なので、普段の生活からちょっと離れた場所がいいなと思って、いくつか候補を出していただいたなかから台湾を選びました。実際に行ってみたら、本当に人が優しくて。今回は仕事でしたけど、「プライベートでもまた来たい!」と思うくらい大好きになりましたね。
――現地での交流で、特に印象に残っていることはありますか?
猪塚:温かい出会いがたくさんありました。例えば、食べ歩きのシーンを撮るために買い物をしたら、お店の方が「中に入る?」「1日店長やってみる?」って声をかけてくださり、レジに立たせてもらったこともありました。また、撮影の少し前に土砂崩れがあって、電車が止まっていたんですが、僕が行った日にちょうど運行が再会するタイミングで。まだ試運転中だったんですけど、「日本から写真集を撮りに来てるんです」と話したら、「じゃあ入っていいよ!」って特別に許可してもらえました。誰もいない車内で撮影できたおかげで、お気に入りのカットが生まれましたね。
――ご自身で見返しても、楽しい1冊になりそうですね!
猪塚:今回は特典で「ロケ地マップ」も付けてもらっていて。僕が訪れた場所をたどれるようになっているので、同じ景色を見たり、もしかしたら僕が出会った人たちにも会えるかもしれない。マップを片手にロケ地を巡って、台湾の人の温かさを感じてもらえたら嬉しいです。
――写真集のなかで、「いまの自分らしい」と思うカットはありますか?
猪塚:ホテルの部屋で撮った写真は、一番「自分らしい」と思っています。朝と夜の2パターン撮っていて、寝起きっぽい表情の僕と、夜寝る前に「明日の予定どうしようかな」って考えているような雰囲気の僕。実際に泊まっていた部屋で撮影したので、その空気感も含めて、自然な自分が写っていると思います。
猪塚:確かに、三輪車や遊具で遊んでいるカットも僕らしいですね。ああいう小道具を見つけると、つい遊びたくなるんですよ(笑)。柄物のシャツを着て悪ぶったり、バーでスーツを着たり、役者っぽい写真の合間に、素の僕っぽいカットを挟んでいます。
チーム・ハンサム! のなかで迷いながら見つけた自分の立ち位置
――今年20周年を迎えたハンサムライブについてもお伺いしたいと思います。「チーム・ハンサム!」では、どのようなポジションを担うことが多いですか?
猪塚:誰よりも声を出したり、おちゃらけたことを言ったりして、後輩にツッコんでもらう――そういうポジションが定番になってきてる気がします(笑)。ハンサムライブって、事務所の後輩と関われる貴重な場でもあるので、緊張している子たちの空気をいかにほぐすかは、意識しているところですね。チームが楽しい雰囲気になれば、そのままお客さまの喜びにもつながると思いますし。
――そういったポジションを率先して担うようになったきっかけがあれば教えてください。
猪塚:劇団で活動していたとき、最初は怖かった最年長の先輩が、いつの間にか盛り上げ役を担うようになっていったんです。僕らもタメ口でツッコむなど、風通しがすごく良くなったんですね。「年長者があえて盛り上げる」って、チームの空気感を良くするために大切なことなんだなと学びました。
――なるほど。2011年から出演されてきたハンサムライブは、ご自身にとってどんな場所、存在ですか?
猪塚:2011年の夏、「今年のハンサムライブへの出演が決まりました」と言われたときは、「やっと出られる!」って飛び上がるくらい嬉しかったことを覚えています。当時は、仕事で成果を残せたら年末のハンサムライブに出られる、みたいな空気があったんですよね。僕の場合は、『テニスの王子様』が大きな決め手だったと思います。ただ、いざチーム・ハンサム!に入ったら、新人なのに最年長という立場で、どう振る舞うべきか迷って……。率先してふざけたり、女装をしたり、とにかく必死でした。
――そこから、意識がどう変わっていったのでしょうか?
猪塚:出演を重ねるうちに、チームに馴染んでいき、自分の立ち位置も自然と決まっていきました。余裕が出てきた分、意識がよりお客さまに向くようになり、「どうしたらもっと喜んでもらえるか」と考えられるようになっていったんです。いまは後輩も増えたので、視野を最も広く持った先輩でありたい。時にはふざけながらも、チームを引っ張っていける存在でありたいと思っています。
――チーム・ハンサム!の中で、特に支えになっている方はいますか?
猪塚:水田航生です。年下で後輩なんですけど、同じ目線でいてくれるし、一緒にいて楽なんですよね。普段からプライベートで飲みに行くくらい気を許せる相手です。精神的にすごく支えられていると思います。
――稽古場に水田さんがいらっしゃると安心しますか?
猪塚:安心しますね。たまにふざけるタイミングを間違えて、誰もツッコんでくれないときがあるんですけど、航生がいると「健太くんが何かやるだろうな」って目で見てくれるので(笑)。どこに球を打ってもレシーブを返してくれる、貴重な存在です。
――思い出がたくさんあって難しいと思いますが、これまでのハンサムライブで、特に印象に残っている出来事を挙げるなら?
猪塚:2011年に初めて出演したとき、客席から大歓声を浴びて、感動と興奮で体が震えたことは、いまでも忘れられません。その後、2020年からのコロナ禍で、声援がまったく聞こえない期間が1~2年続きました。あのときは本当に寂しかったですし、正直、やりがいも半減してしまいました。だからこそ、声出しが解禁されて久しぶりに大歓声を浴びた瞬間は、泣きそうになるくらい感動しましたね。あの感動は、2011年の初出演を超えていたと思います。それと同時に、ライブは僕らが頑張るだけでなく、お客さまの喜ぶ顔や歓声によって完成するんだ、と改めて実感しました。
渋さも色気も武器にして、次のステージへと歩み出す
猪塚:チーム・ハンサム!のメンバーで地上波の連ドラができるなんて、本当にすごいことだと思いました。チーム・ハンサム!を20年続けてこられたのは、応援してくださるファンの皆さんのおかげですし、その存在があったからこそ、このドラマの企画にもGOが出たんだと思います。単なる20周年記念にとどまらず、10月クールの1作品として楽しんでいただける作品になったらいいですね。オムニバス形式なので、エピソードごとにジャンルが変わるのも楽しみのひとつだと思います。個人的には、青柳塁斗くんの回が気になって仕方がないです(笑)。
――オーディションの場で……というあらすじを読んで、すごく面白そうだなと思いました(笑)。猪塚さんの回は、しっとりとした大人の物語になりそうですが、いかがでしょうか?
猪塚:僕が演じたのは、亡くした妻との思い出の地を巡りながら、夫婦の生活を振り返る、警察官の北村智行という人物です。「あのときこう言えば良かった」という思いや、後悔を抱えながら、妻を幸せにできたのか答えを探していく……そんな切なくて苦しい役でした。
――同じ警察官役でも、『トウキョウホリデイ』の川辺とはまったく違いそうですね。
猪塚:あんなにふざけた警察官じゃないですね(笑)。『トウキョウホリデイ』のときは、振り切った演技を心がけて、諏訪太朗さんに「芸人さんかと思った」と言われるくらいでした。それ以前にも、警察官役を何度か演じたことがありますが、ほとんど“裏がある人物”ばかりだったので、まともな警察官役は今回が初めてかもしれません。
猪塚:それぞれのエピソードごとに異なるキスの形があると思いますが、大事なのはその前後にある物語や気持ちだと思っています。なぜその2人がその瞬間を迎えたのか――そこに至るまでの流れや、キスの後の2人の心情に、感情移入して楽しんでいただだきたいです。ほかのメンバーの台本はあえて読まず、オンエアを楽しみにしているので、放送後はハンサムの稽古で「ウエーイ!」って盛り上がりたいですね(笑)。
――舞台や映像を通じて、これまで幅広い役を演じてこられました。今後、挑戦していきたい役柄はありますか?
猪塚:来年で40歳を迎えますし、年齢を重ねたからこその渋みや色気を活かせる役に挑戦していきたいと思っています。ほかには「何歳から白髪を役の武器にできるか」を考えていて。僕は多分、しっかりに真っ白になるタイプなんですよ。40代のうちはまだ早いと思いますが、白髪を解禁するタイミングを見極めたいなと思っています。
――役者ならではの楽しみですね。
猪塚:そうですね。ただ、ハンサムがある以上、若々しさもキープしなきゃいけないと思っていて。肌管理や体力づくりには、普段からかなり気を使っています。今回のドラマのロケにも、ストレッチマットを持ち込みました(笑)。そうやって努力しても、夜に化粧水を塗りながら「うわ、乾燥してる……」って落ち込むときもありますけどね。結局は、年齢に合わせて、そのときのベストを探し続けるしかないと思っています。
※1 https://realsound.jp/movie/2021/12/post-917018.html
◾️書籍情報
1st写真集『Thank you ALL!』
発売:10月8日(水)
撮影:コザイリサ
豪華限定版(アスマート版)¥5,500(税込)/写真集(直筆サイン入り)120ページ+撮影場所MAP Special先行特典:プリントサイン入りBIGポスター ※販売終了
Deluxe版 ¥8,800(税込)/写真集120ページ+撮影場所MAP+メイキングDVD
通常版 ¥3,300(税込)/写真集120ページ
出版社:シンコーミュージック・エンタテイメント
詳細はこちら https://www.amuse.co.jp/topics/2025/08/_391stthank_you_all.html
◾️ドラマ情報
『君としたキスはいつまでも』
ABCテレビ(関西)にて、10月19日(日)スタート 毎週日曜24:10~放送
テレビ朝日(関東)にて、10月18日(土)スタート 毎週土曜26:30~放送
TVerABEMAにて、ABCテレビでの放送終了後見逃し配信
出演:細田佳央太、莉子、本島純政、川津明日香、渡部秀、小島藤子、猪塚健太、藤谷理子、青柳塁斗、松井愛莉、小関裕太ほか
原案:舘そらみ
脚本:木村聡志、石橋夕帆、清水匡、舘そらみ、モラル (話順)
音楽:小山絵里奈監督:木村聡志、石橋夕帆、山口雄也
主題歌:「Here Today」チーム・ハンサム!(AMUSE)
プロデューサー:辻知奈美、藤田洋平、今井美沙(アミューズ)、森木優理子(アミューズ)、近藤紗良(C&Iエンタテインメント)
制作協力:C&Iエンタテインメント
制作著作:「君としたキスはいつまでも」製作委員会・ABCテレビ©︎「君としたキスはいつまでも」製作委員会・ABCテレビ
公式サイト:https://www.asahi.co.jp/kimikiss/
公式X(旧Twitter):@dramaL_abctv
公式Instagram:@dramal_abctv
公式LINE:@abc_drama
◾️ 公演情報
『Amuse Presents 20th Anniversary ULTRA HANDSOME LIVE 2025“ZERO”』
日程:2025年12月27日(土)、28日(日)
会場:パシフィコ横浜 国立大ホール
企画・製作・主催:アミューズ
出演者:青柳塁斗、猪塚健太、岩崎友泰、植原卓也、太田将熙、甲斐翔真、小関裕太、徳永智加来、新原泰佑、林優大、東島京、兵頭功海、平間壮一、福崎那由他、細田佳央太、松岡広大、松島庄汰、水田航生、溝口琢矢、本島純政、山﨑光、渡邊圭祐(50音順)
出演者ティザー映像:https://youtu.be/z6O93nb1oOE
『20th Anniversary ULTRA HANDSOME MUSEUM Prologue “ZERO”』
<東京会場>
会場:hmv museum 渋谷6 (「HMV&BOOKS SHIBUYA」 6F)
会期:9月27日(土)~10月13日(祝・月)
営業時間:11:00~20:30 ※入場は20:00まで
<大阪会場>
会場:hmv museum 心斎橋(「HMV&BOOKS SHINSAIBASHI」)
会期:10月18日(土)~11月3日(祝・月)
営業時間:11:00~20:30 ※入場は20:00まで
『20th Anniversary ULTRA HANDSOME MUSEUM Prologue “ZERO” POP UP SHOP』
<福岡会場(POP UP SHOP)>
会場:「HMV&BOOKS HAKATA」店内
会期:10月18日(土)~11月3日(祝・月)
HMV特設サイト:https://www.hmv.co.jp/news/article/250715161/
・チケット情報(東京・大阪)
チケット料金(税込):日時指定入場券 1,500円/当日入場券 2,000円
〈一般発売※ローソンチケットのみの取り扱い〉
販売期間:8月15日(金)18:00~各開催日前日の22:00まで
入金期間:予約成立後~予約日含めず3日間 ※ただし、各開催日前日の23:00まで
ローソンチケット:https://l-tike.com/search/?lcd=37891%2C37892%2C57891%2C57892
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