TBSアナウンサー 田村真子が明かす、『ラヴィット!』出演の本音「本当にビリビリが嫌になった(笑)」

 朝のバラエティ番組『ラヴィット!』のMCとして親しまれ、2024年の「オリコン好きな女性アナウンサーランキング」では1位を獲得。明るく飾らないキャラクターで幅広い世代から支持を集める、TBSアナウンサー・田村真子。

TBSアナウンサー・田村真子 1stフォトエッセイ 「陽がのぼるほうへ」(太田出版)

 彼女にとって初のフォトエッセイ『陽がのぼるほうへ』(太田出版)が、2025年8月27日に発売された。本書は、カルチャー誌『Quick Japan』や公式Webメディア『QJWeb』での人気連載に書き下ろしを加えた全15篇のエッセイと、60ページを超える大ボリュームのフォトストーリーで構成された一冊。社会人7年目の等身大の思いから、20代最後の小旅行で見せた素顔まで、これまで語られることの少なかった彼女の姿が詰まった内容となっている。

 今回のインタビューでは、初の著書に込めた思いや制作エピソード、そして人気番組『ラヴィット』の裏側について語ってもらった。

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初の書籍「お金を払うに値する文章が書けるのだろうか…」

――書籍化をオファーされたときのお気持ちを教えてください。

田村:オファーの際には、番組や仕事だけでなく私生活など個人的なことについても書いてほしいと伝えられていて。「え、どうしよう…」「ちゃんと書けるかな?」という不安がありました。

 もともとはWebでも連載していたのですが、無料で読むことができるWeb掲載のエッセイと違って"本になる"ということは、お金を払って買っていただかないといけない。「お金を払うに値する文章が書けるのだろうか…」というプレッシャーがありました。

――実際に執筆してみて苦労したことはありましたか?

田村:これまで文章をたくさん書いてきたわけではないので、「おもしろい文章ってなんだろう?」と思いながら、書いてみては読んでみて……というのを何回も繰り返しやっていました。

 エッセイにも締切が設定されるのですが、私はギリギリにならないと文章が頭の中に浮かばなくて。書きたいことは書けるんですけど、読んでもらえるような文章となると、締切の前日にならないと指が動かない(笑)。本当に良くないな…と思いつつ、私はそういう人間なんだなと思って、ハラハラしながら毎回書いていました(笑)。

――エッセイを書くにあたって参考にされた作家やエッセイストはいましたか?

田村:実際に参考にした人はいないんです。以前からWeb上で公開されている『ラヴィット!日誌』というコラムがあって、そこでは番組の裏側を書いていたんです。そこでは視聴者の方々に語りかけるように書いていたので、書籍のエッセイでも自然とその書き方をしていました。

 ただ、自分なりに「ちょっと難しい言葉を入れたら、文章としての格が上がるかな?」とか思ったりして(笑)。普段は使わない言い回しだったり、情景描写なども少し凝るようにすることは意識していました。

期待を背負って「もともと『期待に応えたい!』というタイプではないのですが…」

――書籍を発売することについて、共演者の方々からは、どんな反応がありましたか?

田村:『ラヴィット!』で共演している川島(明)さんには、「帯コメントをお願いすると思うんですけど……」とお願いする際に、本を出版することをお伝えしました。川島さんは「楽しみ!」と言ってくださって、実際に帯コメントも書いていただけて嬉しかったです。

 おいでやす・小田さんには、CM中にスタジオでお話ししているときに「本、出すの?」と声をかけていただいて。小田さんも少し前に本を出版されていて、それは対談形式をまとめた本だったこともあってなのか、「ぜんぶ自分で書いてんの!? すごいなあ!」と親戚のおじさんみたいに褒めてくださいました(笑)。

――本書には、『ラヴィット!』でも共演されているモデル・近藤千尋さんとの対談のほか、ご友人からの田村さんの印象や学生時代のエピソードが綴られた文章も掲載されていますが、周囲の方から愛されていることが伝わります。

田村:「運が良い」というのがやはり大きいと思うのですが、お仕事で色んな方とお話ししていると、特に初めてお会いする方に「自然体ですね」と言われることがあるんです。良く言えば「素直」ですが、悪く言えば、内心を隠せないタイプ。『ラヴィット!』でも、ビリビリ椅子が痛かったら、ムッとしているのが分かりやすく顔に出るんです(笑)。

 そうやって自然のままでいることが、人に受け入れてもらいやすくなって、結果としてたくさんの人が私を助けてくれるのかもしれない、と思っています。

――また『好きなアナウンサーランキング』ではランク1位になるなど、視聴者の方にも支持されています。

田村:『好きなアナウンサーランキング』の1位に選ばれたことを伝えられたときには、『ラヴィット!』スタッフの皆さんが喜んでくれて、嬉しかったです。ただ、正直に言えば、伝えられたばかりの瞬間は、なにか自覚が芽生えていたわけではなくて。「何が変わるわけでもない」「やることは変わらない」と思っていました。

 自分ではそう思いつつも、局内を歩いていると、本当に多くの方が『おめでとう!』とすれ違うたびに、声をかけてくださって。「この先の人生、こんなに祝われることってあるのかな?」と思うくらいに、皆さんが喜んでくれたんです。

 こんなに喜んでくれるなら、「このTBSで頑張らないと、期待に応えないと!」という思いが以前より増しました。私はもともと『期待に応えたい!』というモチベーションが強くあるわけではなくて、着々とやるべきことをやるタイプなのですが、そうやって喜んでくれる方々がいると「頑張りたい!」と思うようになりました。ただ『次は2連覇だね!』と声をかけてもらっていて(笑)。「やめてください…!」という気持ちもありますが(笑)、頑張りたいです。

『ラヴィット!』立ち上げ時は「色んなメディアから厳しい意見も多くいただきました」

――今でこそ『ラヴィット!』は、確固たるポジションを確保しています。しかし番組がスタートしたばかりの頃は、「朝からバラエティ番組をやる」ということに、一部のメディアから懐疑的な意見も書かれていました。エッセイには『ラヴィット!』のお話も綴られていましたが、番組開始当時はどんな心境だったのでしょうか?

田村:番組がスタートしたばかりの頃は、出演者の皆さんも緊張されていて。朝のあの放送枠自体が難しかったというのもあって、色んなメディアから厳しい意見も多くいただきました。当時と今を比べると、スタッフさんも出演者も、ピリピリ…というわけではないのですが、緊張した空気感がありました。

 その頃は、スタジオに移動する前に広めの部屋に出演者の皆さんと集まって、お話しする時間を設けていましたね。緊張した空気感が視聴者に伝わるのは良くないと思いつつ、私自身、進行に慣れずに必死だったので、今のように芸人の皆さんと一緒に番組を楽しめるような余裕は全くありませんでした。

――田村さんが番組に慣れ始めたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

田村:番組が数ヶ月続くと、徐々に進行にも慣れていったのですが……『ラヴィット!』も実はスタート時から色々と変化していて。番組が2年目に突入したころには、オープニングの時間が長くなって、また余裕がなくなってしまったんです。

――お馴染みになっていますが、放送開始から1時間くらい経って、ようやく川島さんが「『ラヴィット!』、スタートです」と言うのが恒例になっていますから、オープニングは相当長いですよね。

田村:そうなんです。30分でさえ長いのに、1時間とか、長いときは2時間くらいになって(笑)。オープニングでゲームなどの企画をやるようになると、進行がまた大変になって。今では赤荻さんが進行してくださることもありますが、赤荻さんがいらっしゃるまでは、番組の進行をやりながら、自分でもゲームに参加するので、本当に大変でした(笑)。

 しかもゲームに負けたら罰ゲームでビリビリを浴びなければならなくて。一時期は、ほぼ毎日くらいの頻度でビリビリをあびていました。

――田村さんのリアクションも話題になっていましたね。

田村:当時は、本当にビリビリが嫌になっていて(笑)。番組を進行しないといけないのに「このあと、ビリビリをくらうかもしれない…」と考えてしまうと、意識がそちらに取られて、カンペを見逃してしまうこともありました。

 ただ番組の空気感が良くなったのは、オープニングが長くなり始めた頃くらいだと思います。オープニングはスタジオでやるので、芸人さんが自由にできる場が多くて。芸人さんが川島さんへの信頼感も大きいので「ここでは何をやっても大丈夫」と思って自由に面白いことに挑戦するようになりました。そこから自然に面白いハプニングや自由なやり取りが増えていって、番組の雰囲気も明るくなったと思います。

――『ラヴィット!』は、TBSドラマに出演する俳優の方など、普段はバラエティに出演しない方々が出演して、楽しそうにしているのも支持される理由の一つです。エッセイには「自分もかつてMCの方やタレントの方に声をかけてもらって緊張がほぐれたから、今は自分がゲストの方にそうしてあげたい」という趣旨が書かれていました。具体的にはどなたから影響を受けたのでしょうか。

田村:特番などを含めると、本当にたくさんの方にお話しさせていただきましたが、その中でも、私が最初にレギュラーでご一緒した南海キャンディーズの山里さんは若手の頃から優しく声をかけていただいて、緊張を解いてくださっていました。今でも定期的にお会いするのですが、収録前には「この前、ラヴィットでこんなことあったね」と必ず声をかけてくださるんです。

 千鳥のノブさんも同じで、特に何をお話ししたということもないのですが、収録前にコミュニケーションをとってくださって。ご本人にとっては何気ないことかもしれませんが、若手としては、そうやってお話ししてくれるだけで心持ちが変わるんですよね。

――『ラヴィット!』にはアイドルの方も多く出演されていますが、伸び伸びと個性を発揮しているのを見ると、田村さんや川島さんが温かく迎え入れている空気感があるからなんだなと感じました。

田村:実は話しかけるのも緊張していて(笑)。学生時代の友達だったら、自分からどんどん話しかけられていたのですが、仕事となると「自分から話しかけていいのかな…」と躊躇してしまうタイプだったんです。

 ただ『ラヴィット!』でたくさんの方が出演してくださる中で、少しずつ自分から声をかけられるようにもなりました。特に年下の方が来る時は「緊張をほぐしてあげたい」と思って、積極的に声をかけるようにしています。ただ、10代のアイドルの方々が番組に来てくださることも多いのですが、年下の方でもキャリアは私よりも長い方もいて。色んなことを考えながら、頑張って話しかけていますね(笑)。

▪️商品情報
フォトエッセイ『陽がのぼるほうへ』
出版社:太田出版
発売日:8月27日発売
価格:1980円(税込)

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