【コンテンツ東京レポ】茶葉少女、TAKOKUMAなど台湾の人気キャラが勢揃い! 日本コンテンツ企業に魅力をアピール

 台湾発のキャラクターが日本と世界を目指してアピール! そんな展示が7月2日から4日に東京ビッグサイトで開催の展示会「第17回コンテンツ東京」の「第17回ライセンシング ジャパン」で開催。タコやサメといった動物をモチーフにしたキャラもいれば、台湾ならではのお茶をモデルにした美少女キャラもいて、日本でもこれから引っ張りだこになりそうな存在感を見せていた。

台湾パビリオン

 7月2日午後に「ライセンシング ジャパン」会場の台湾パブリオンで開かれた開会式。「台湾のキャラクターをぜひ見ていってください」と台湾クリエイティブ・コンテンツ・エイジェンシー(TAICCA)の蔡惠茹マネージャーが、来場した日本企業のコンテンツ担当者に呼びかければ、台湾キャラクターブランドライセンシング協会の鄭文福理事長も「日本のコンテンツ企業と繋がる場になれば」と出展の狙いを訴えた。

台湾のクリエーターたち

 こうした言葉を受けるように、台湾でも人気のキャラクターから選りすぐられた10点のコンテンツが勢揃いしたパビリオンでは、台湾からの参加者と日本の企業が活発に言葉をかわして、これからの展開の可能性を探っていた。

「君といたとき、いないとき」のコーナー

 落ちてきた月を拾った少年と月との交流を描く絵本をベースとしたコンテンツが、「君といたとき、いないとき」。1999年にジミー〈幾米〉の作・絵で絵本が刊行されて話題となり、日本でも小学館から翻訳版が刊行されている。ジミー〈幾米〉は「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」にもアーティストとして参加しており、世界的に名前が知られているが、日本でもその世界観をさらに知ってもらいたいと台湾パビリオンに参加した。

 ジミー〈幾米〉のマネージャーを務める李雨珊は、「絵本が出て25年以上が経って、親から子供へと読み継がれる作品になっていますが、グッズなどの展開を通して、より多くの人に作品を知ってもらい、物語に触れてもらえるようになれば」と話し、日本でのいっそうの浸透を期待した。少年が月との交流を通して成長していくストーリーは大人が読んでも心を打たれる。淡い色使いの絵と共に心を癒やし温めてくれる作品として、絵本から舞台や映像へと広がっていきそうだ。

アーティストのバウンス

 クールでスタイリッシュなデザインをキャラクターに載せて展開しているのがバウンス。2005年にグラフィティのアーティストとして活動を始め、台湾だけでなく世界中で作品を展開してきた。アディダスやディズニー、マイクロソフトのゲーム機「Xbox」などとのコラボレーションも行って、すでに熱い人気を獲得している。日本のキャラクターともコラボしており、永井豪のマジンガーZやゲッターロボ、円谷プロダクションのウルトラマンなどを独特のデザインで象ったフィギュアを送り出している。

バウンスの作品群

「台湾や海外ではこうしたコラボを展開していますが、日本ではこれから様々なコンテンツと組んで作品を出していければ」と、日本での窓口となっているProTribeの小林良正代表取締役。ライセンシング ジャパンの会場でも日本のライセンシー企業から高い関心が集まっていたという。懐かしいキャラクターをスタイリッシュにリファインして展開する動きは日本でも活発で、バウンスもそこに加わって一気に話題沸騰となる可能性も高そうだ。

「茶葉少女」のグッズ

 すでに日本で話題となっているのが「茶葉少女」だ。お茶を擬人化した美少女というコンセプトは、あらゆるものが擬人化される日本のファンにも分かりやすい。デザインも日本の漫画やアニメ、ゲームの雰囲気に近く、すぐにでも受け入れられて不思議はない。実際、KADOKAWAの「カドコミ」で漫画『茶葉少女~蟲に食べられそうになったら、私の能力が覚醒しました!~』が配信されると、同サイトで1位を獲得する人気となっている。

 制作を担当したコミックスタジオCEOの戚成棟(Seven Sam)は、こうした実績をもとに「日本で人気を獲得できる自信があります」とアピール。キャラクターをあしらった茶葉が日本でネット通販されて売れ行きも良好とのことで、今後の展開に期待する。現在はアニメ化に向けて出資を募り製作委員会を設置することを検討し始めた段階。日本からの参加も受けてアニメ化を実現し、映像とともにもう一段の展開を果たしたいようだった。

「TAKOKUMA」のコーナー

 タコとクマが合体した「TAKOKUMA(タコクマ)」は分かりやすくて可愛らしいキャラクターだ。どの動物図鑑にも載っていない特別な存在という設定があり、他の動物を訪ねて旅するストーリーが絵本になっている。リンゴが大好きということから、リンゴが使われた日本の地ビールのラベルに登場するコラボレーションも行われた。他にもフィギュアなど様々なキャラクター展開が行われている。

 作品の展開を手がけている松原好日プロジェクト・マネジャーのアリス・リーによれば、タコでありながら上半身のタコの部分が黒で、下半身が白というシンプルな色使いとデザインが「スタイリッシュで大勢の人に受け入れられています」とのこと。26話のショートアニメーションも作られており、映像とともに広がっていく可能性を持ったキャラクターだ。

親しみやすい造形の「ブサうさ」

 

 台湾パビリオンにはほかにも気になるキャラクターが幾つも登場。「ブサうさ」はウサギなのに耳が短くふっくらとしたスタイルで、どことなく憎めない雰囲気を感じさせて人気となっている。台湾ではユニクロとコラボレーションしたTシャツが作られたり、金融機関や下着メーカーといった大手企業でのキャラクターの利用が行われたりして活躍中だ。LINEスタンプで上位に食い込む存在感もあって、日本への浸透も十分に可能だ。

ポップな魅力がある「クレイジーバニー」

 「クレイジーバニー」もウサギだが、こちらは開いた口にずらりと三角形の歯がならぶちょっぴり怖そうなキャラクター。アグレッシブでいたずらや冒険が大好きといった性格が、持つ人を楽しくさせてくれそう。20年以上の実績があって、1000種類以上のグッズが出ているというから、日本でも大いに期待できるキャラクターだ。

「ハオシャントウ」のキャラクターたち

 「ハオシャントウ」は台湾初のキャラクターブランドで、マレーシアや香港でも知られている。貧乏でつらい、仕事が忙しいといったシチュエーションに置かれてボヤくキャラクターのスタンプなどを用意。日々を生きる人たちに癒やしと笑いをもたらすキャラクターとして、会社員から学生、親子といった幅広い支持を集めているという。

「マントウ」をモチーフにした「マンジュウさん」

 「マンジュウさん」は名前の通りにマンジュウがモチーフだが、日本のものとは違って「マントウ」と呼ばれるもののキャラクター化となる。ふっくらとして美味しそうな表情があって誰でも見れば一目で好きになる。台湾では鉄道会社や三菱自動車とのコラボも実現。一般にも浸透しているキャラと言えそう。「饅頭島」が沈むかもしれないピンチに大活躍するという冒険ストーリーもあって、もっと知りたい気にさせてくれるキャラクターだ。

さまざまな「サメサヒミ」のグッズ

 「サメサヒミ」は名前が現しているようにサメのキャラクター。人を襲うイメージがあるサメだが「サメサヒミ」はまるっとして愛らしいフォルムと、笑顔や寝顔でファンを引きつける。スタンプと絵文字が販売されておりキャラクター展開もこれから大いに期待できそう。小さなサメにペンギンもいれた4体で作る優しい世界を楽しめそうだ。

男の子に人気が出そうな「シャークボーイ・ユニバース」

 「シャークボーイ・ユニバース」もサメのキャラクターだが、こちらはややワイルド。主人公の「シャークボーイ・イーコウ」と戦友の「シュモクザメボーイ・リャンコウ」がいる設定で、2人の冒険の旅を楽しむことができる。日本のゲッターロボやウルトラマンとのコラボも行われているようで、ウルトラマンベリアルのフィギュアは愛らしさと怖さが混ざり合った独特の雰囲気を醸し出している。こうした巧みなアレンジで、日本の他のキャラクターとのコラボも見たくなるキャラクターだ。

■関連情報
「第17回コンテンツ東京」公式サイト
https://www.content-tokyo.jp

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