「太宰治を元気づけたくて」エルフ荒川 初フォトエッセイへの思い語る出版会見レポート

双葉社『人間合格 エルフ荒川1st フォトエッセイ』(撮影/橋本憲和)

 お笑いコンビ・エルフの荒川が6月29日、都内で行われたフォトエッセイ『人間合格』(双葉社)の出版記者会見に登場。

 自身初となるフォトエッセイに込めた思いや、制作エピソードについて語った。

「自分の人生を振り返ることがなかったので、すごくいいきっかけになりました」


 会見冒頭、荒川は「こんにちは~! 本、出しました~!! 要チェックで~す!」と大声を発しながら登場。記者から本書の見どころを聞かれると、「私の写真がかなり盛れてるところ! あと、他のフォトエッセイより“句読点”と“(笑)”がめっちゃ多くて、ギャルの友達は『読みやすい!』って言ってくれました」と笑顔でアピール。同時に「自分のことや考えていることを書かせてもらって、それがどう受け取られるのか、不安もあります」と心境を明かした。

 お笑いコンビ・エルフは、第7回女芸人No.1決定戦『THE W』で準優勝に輝き、全国区の知名度を獲得。ボケを担当する荒川は、バラエティ番組で見せる「ギャル的ポジティブマインド」が若者から支持されており、注目を集めている。

 そんな荒川にとっての初のフォトエッセイである本書は、空手とだんじりに熱中した子ども時代から、尊敬する母親への想い、元カレとの思い出まで、荒川の半生がリアルに綴られた一冊。さらに、ギャルの聖地・渋谷を舞台に撮り下ろしたファッションカットや、TikTokで話題の“盛れメイク”テク、ド派手ネイル、愛用する私物まで、今の荒川を丸ごと詰め込んだ内容となっている。

エッセイのオファーは「『イエーイ! アゲ~!』ってノリで受けたんですけど…」

   

 タイトルの『人間合格』にこめた意味を聞かれると「太宰治を元気づけたくて私が作ったギャグがあって、そこから取りました」と明かした。出版が決まった当時の心境については「お話をいただいた時は、『イエーイ! アゲ~!』ってノリで受けたんですけど、これまで“ギャル道”とか自分の人生を振り返ることがなかったので、すごくいいきっかけになりました」と振り返った。

 本書の発売について、相方・ハルの反応を聞かれると「ハルは本が発売されることが発表された日に予約してくれて。だから最初にハルのところに本が届いています(笑)」と嬉しそうに語った。

 さらに、見取り図のリリーや藤崎マーケットのトキが本書を購入していたことをInstagramのストーリーで知ったという荒川。「あんなに尊敬してるお二人が読んでくれるのなら『あそこもっとボケといたらよかった~!』って、めっちゃ思いました」と照れ笑いを浮かべていた。

印税の使い道は「つけま大量に買いたい!」

    

 本書のお気に入りページを聞かれると「芸人仲間と毎日撮ってる写真をまとめた、“プリ帳”みたいなページがあって、それがすごくお気に入りです」と推しページを紹介。表紙は渋谷の109を背景にしたカットが採用されており、本書について自己採点を聞かれると「109点! マルキューです(笑)。もしかしたらダメな部分もあるかもしれないけど、“ダメな自分も含めて自分”って思えるようになってきたんで、『人間合格』ってタイトルをつけました。今の私を知ってもらえるとうれしいです」と自信をのぞかせた。

 また、本書の発売により手にする印税の使い道について聞かれると、「印税!? ほんまや、忘れてました(笑)! 恥ずかしいとか言ってる場合じゃない。みんな、買って~! つけま大量に買いたい!」と記者の笑いを誘った。

 今後の目標に「流行語大賞」を掲げている荒川。流行らせたいギャグを聞かれると「(『小牧・長久手の戦い』をもじって)『小牧ヤバくての戦い』というギャグを作ったんですけど、ギャルの友達には全然伝わってなくて(笑)。タイトルにもつけた『人間合格』って言葉が流行ったら、みんながポジティブになれるんじゃないかな」と語った。

■書誌情報
『人間合格 エルフ荒川1stフォトエッセイ』
著者:エルフ荒川
価格:1980円(税込)
発売日:2025年6月18日
出版社:双葉社

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