『リルケ詩集』が発売 近代詩の巨人・リルケの全作品から文学者・片山敏彦がセレクト
オーストリアの詩人、ライナー・マリア・リルケの全作品から文学者である片山敏彦が選んで編んだ『リルケ詩集』(亜紀書房)が、2025年3月22日に発売される。
リルケは1875年12月4日、プラハ生まれ。オーストリアの陸軍士官学校を中退し、プラハ、ミュンヘン、ベルリンと転居しながら、詩、小説、戯曲を発表する。1899年と1900年にロシアを訪れ、詩作へつながる感動を受ける。1902年に単身パリへ渡り、ロダンから芸術家の精神を学んだ成果として『新詩集』(1907)を発表。1910年には小説『マルテの手記』を刊行した。第一次世界大戦後はスイスに移り、『ドゥイノの悲歌』『オルフォイスへのソネット』を完成。1926年12月29日、白血病の悪化により死去した。
日本においてリルケの作品は、『舞姫』『山椒太夫』で知られる作家・森鷗外によって紹介され、のちに芥川賞など多くの文学賞を受賞した小説家・古井由吉らが訳した。
本書は、詩人・文学者である片山敏彦がリルケの全作品から選び編んだベストセレクション。批評家・若松英輔による共感に満ちた長編解説を付した特別な一冊となる。
本書の装丁には、3種類の本体表紙デザインが用意されている。どのデザインが届くかはランダムで、開封するまでのお楽しみとなっている。
【内容紹介】
あなたのお護りとなる詩がきっとある。
本書は、詩人リルケの珠玉の詩を集めたベストセレクションであり、片山敏彦による伝説的な名訳を通じて、現代の読者にも深い感動をもたらす。また、若松英輔による長編解説が加わることで、リルケの詩世界への理解をさらに深める構成となっている。
〈収録詩より〉
日常の中で飢えている 貧しい言葉たちを
目立たない言葉たちを ほんとうに私は愛する。
私の祝祭の中からいろいろな光彩を取り出して、私は彼らに贈ろう。
そうすると彼らは微笑して おもむろに晴れやかになる。
────「日常の中で飢えている言葉」より
【著者紹介】
リルケ(Rainer Maria Rilke)
1875年12月4日、プラハに生まれる。オーストリアの陸軍士官学校を中退し、プラハ、ミュンヘン、ベルリンと転居しながら、詩、小説、戯曲を発表する。1899年と1900年にロシアを訪れ、詩作へつながる感動を受ける。1902年に単身パリへ渡り、ロダンから芸術家の精神を学び『新詩集』(1907)を発表。1910年には小説『マルテの手記』を刊行した。第一次世界大戦後はスイスに移り、『ドゥイノの悲歌』『オルフォイスへのソネット』を完成。1926年12月29日、白血病の悪化により死去。
片山 敏彦(かたやま・としひこ)
1898年高知県生まれ。1961年東京都で死去。詩人、評論家、翻訳家として多彩な業績を残す。著書に『片山敏彦著作集』全10巻(みすず書房)、訳書に『ロマン・ロラン全集』所収の『ジャン・クリストフ』『内面の旅路』などがある。その他、ゲーテ『タウリス島のイフィゲーニエ』、リルケ『果樹アルナ園』など、多数の文学作品を翻訳。
若松 英輔(わかまつ・えいすけ)
1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』で第2回西脇順三郎学術賞受賞、『詩集 見えない涙』で第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄 美しい花』で第16回角川財団学芸賞など、多数の受賞歴を持つ。近著に『霧の彼方 須賀敦子』『光であることば』『藍色の福音』などがある。
書籍情報
リルケ詩集
著者
【著】リルケ
【訳】片山 敏彦
【解説】若松 英輔
価格:2,750円(税込)
発売日:2025年3月22日
判型:四六判変型
製本:上製
頁数:360頁
ISBN:978-4-7505-1869-5
出版社:亜紀書房
公式HP:https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=1199