フランス、なぜ日本の漫画が人気? フランス大使館職員が考える、アニメからの影響と特殊なテーマ設定
■日本と同じ作品がフランスで支持される
――フランス人には日本の漫画やアニメのコレクターが多いと聞いています。
ジェレミ:僕の友達にはセル画のコレクターがいますよ。彼は90年代から日本のアニメのセル画を集めています。当時もセル画は高いと言われていましたが、彼はお金があるので、『ドラゴンボール』や『AKIRA』、スタジオジブリ作品のセル画も、安かったときに買っているんですね。
――かなり見ごたえがあるコレクションになっていそうです。
ジェレミ:しかも、彼は背景付きで集めていますからね。90年代でも、ジブリのセル画は背景付きで10万以上しているものがありましたが、「高い!」と言って買わない人も多かった。でも、彼はお金持ちだから、当時から買っているんですね。今はそれが、数百万円するでしょう。
――現在、フランスではどんな日本のアニメが人気なのですか。
ジェレミ:日本で流行っているものと同じですね。『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』は人気ですし、ネット配信ですぐに見られるので、『僕のヒーローアカデミア』『【推しの子】』などタイムラグはなくほとんど同じものが人気です。日本のアニメ人気はフランスに限らず、世界中で広がっていると思います。
――日本の漫画やアニメのファンは、今度も世界的に増えていきそうですか。
ジェレミ:増えていくでしょうね。それに、フランス出身のアニメーターも増えてきました。僕の友達にも日本でアニメーターをしているフランス人がいますし、監督を務めている人もいます。
――ちなみに、ジェレミさんが現在、注目しているアニメはなんですか。
ジェレミ:私は現在放映中のものよりも、80~90年代のアニメが好きですね。キャラクターデザインも冒険しているし、最近、昔のアニメがリメイクされたりして人気が再燃しているのは、それだけ内容が面白いからでしょう。あと、僕は桂正和先生に個人的に3回お会いしたくらい大ファンなので、『ウイングマン』がドラマになって嬉しいですよ。